はじめに
Power Platformの管理ツールの1つにMicrosoft Power Platform CoE スターターキット(以下、CoEスターターキット)があります。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/power-platform/guidance/coe/starter-kit
CoEスターターキットの詳細については以下の記事に記載しています。
- Microsoft Power Platform Center of Excellence (CoE) スターター キットとは? - JBS Tech Blog
- Microsoft Power Platform Center of Excellence (CoE) スターターキットの閲覧範囲と導入方法 - JBS Tech Blog
CoEスターターキットは大きくわけて3つの要素で構成されています。
- コアコンポーネント
- ガバナンスコンポーネント
- 育成コンポーネント
今回はその中の「コアコンポーネント」の導入手順を紹介します。
また、導入方法として、CoEスターターキット用の新規環境を準備した場合で紹介します。
前提
CoEスターターキットの導入作業を実施するユーザーは以下のいずれかの権限が必要です。
- Microsoft Power Platform サービス管理者
- グローバル管理者
- Dynamics365 サービス管理者
準備
CoEスターターキットを導入する前に実施する作業を紹介します。
新環境作成
CoEスターターキット用の新規環境を作成します。
Power Platform管理センターから環境を作成します。
コネクタの作成
15個のコネクタを作成します。
ここは手動になります。
この際、DLPポリシーにて使用するコネクタが制限されていないことに注意してください。
導入作業
テンプレートファイルのインポート
作成した環境にCoEスターターキットのコアコンポーネントのテンプレートファイルをインポートします。
環境変数の設定
テンプレートファイルとCoEスターターキットを導入する環境との紐づけ作業として、環境変数を登録します。
フローの設定
フローがオフになっているものがあるので、オンにしてフローが稼働するように設定します。
ここでは約50個ものフローに対して手動で操作しますので、とても時間がかかります。
画像は既にオンになっています。
管理者設定
APIの設定です。データを取得する際のアクセス権限をAzureにて設定します。
監査ログ設定
Power PlatformとMicrosoft 365管理センターの監査ログとの連携を構築するためのカスタムコネクタを作成します。
Power BIダッシュボードの設定
取得したデータを可視化するためのダッシュボードの設定をします。
CoEスターターキットの可視化はリアルタイムの可視化ではなく、日毎の可視化です。
そのため、データセットにて「スケジュールされている更新」の設定が必要です。
同期フローの実行
これまでに設定した項目で観測するだけの最低限の設定は完了していますので、同期フローを開始してCoEスターターキットが導入された環境内の情報を取得します。
上記の同期フローの完了をもって、コアコンポーネントの設定は完了です。
同期フローの完了には環境差があるものの約10時間もの時間がかかります。
さいごに
CoEスターターキットのコアコンポーネントの導入手順について紹介しました。
導入手順は膨大な時間がかかります。無料で使用できますが、導入にかなり手間がかかる印象でした。しかし、Power Platformの環境の状況を可視化できることは、管理する側としてはとても便利なツールだと思います。