はじめに
前回の記事:【Intune】.intunewin ファイルを使ってWindows アプリ(Win32)を配信する ~事前準備編~ - JBS Tech Blog
前回は、Windows アプリ(Win32)の配信に必要な .intunewin ファイルや情報の取得方法について解説しました。
今回は、前回の記事で取得した情報を元に Intune 管理センターでアプリ配信の設定をする方法について解説します。
用語説明
- インストールコマンド
Intune でアプリのインストール処理を割り当てた際に、割り当て先で実行されるコマンドです。
- アンインストールコマンド
Intune でアプリのアンインストール処理を割り当てた際に、割り当て先で実行されるコマンドです。
- 強制配信
Intune 管理センターからインストール/アンインストールコマンドを設定し、強制的にアプリを配信する方法です。
- 任意配信
ユーザが任意でアプリをインストールできるようにする配信方法です。インストールする際には、Intune ポータルサイトアプリ を使用します。
Intune ポータルサイトアプリ:Microsoft Apps
- 検出規則
アプリが配信先のデバイスにインストールされているかを確認する規則です。
Intune からデバイスへのアプリ配信の際は検出規則を使って配信できるか否かを判断します。
Intune 管理センターでの設定
本記事ではブラウザアプリ「Firefox」の配信を例に解説します。
下記よりアプリ配信設定の画面遷移の順番に従って、解説していきます。
はじめに、Windows アプリの配信設定画面へ移動します。
アプリ情報の設定
アプリケーションの種類の選択画面で[Windows アプリ(Win32)]を選択します。
事前に取得した .intunewin ファイルをアップロードします。
参考:インストーラーファイル(.exe等)⇒ .intunewin ファイルへ変換する
下記内容に沿って、アプリ情報の必須項目を設定します。
- 名前:Intune管理センターとポータルサイトに表示されるアプリ名を設定します。
デフォルト値で .intunewin 変換前のファイル名が入力されています。 - 説明:ポータルサイトで表示されるアプリの説明を入力します。
デフォルト値で .intunewin 変換前のファイル名が入力されています。 - 発行元:ポータルサイトで表示されるアプリの開発元の名前を入力します。
※その他、任意設定の詳細については項目横のインフォメーションマークや Microsoft Docs などを参考にしてください。
プログラム情報の設定
下記内容に沿って、プログラム情報の必須項目を設定をします。
- インストールコマンド:事前に取得したコマンドを設定します。
- アンインストールコマンド:事前に取得したコマンドを設定します。
※その他、任意設定の詳細については項目横のインフォメーションマークや Microsoft Docs などを参考にしてください。
必要条件の設定
下記内容に沿って、必要条件の必須項目を設定をします。
- オペレーティングシステムのアーキテクチャ:アプリのインストールに必要なアーキテクチャを設定します。32/64ビット のどちらかまたはどちらも選択することができます。
- 最低限のオペレーティングシステム:アプリのインストールに必要な最小のOSを設定します。
※その他、任意設定の詳細については項目横のインフォメーションマークや Microsoft Docs などを参考にしてください。
検出規則の設定
下記内容に沿って、検出規則の必須項目を設定します。※当記事では、検出ルールの種類を「ファイル」で設定します。
- 規則の種類:検出ルールの種類を設定します。
- パス:検出するファイルまたはフォルダーを含んでいるフォルダーのフルパスを設定します。
- ファイルまたはフォルダー:検出するファイルまたはフォルダーの名前を設定します。
- 検出方法:アプリのプレゼンスを検証するために使用する検出方法の種類を選択します。
依存関係の設定(任意設定)
当設定項目は必須設定ではありません。
依存関係とはアプリの配信前にインストールする必要のある別のアプリを依存関係として設定できる機能のことです。
利用例として、Mozilla VPN 環境下でのみ Firefox を利用させたい、といったニーズがあったとした場合、「[Firefox.exe]は[MozillaVPN.exe]がデバイスに存在していなければ配信不可にする」といった形で設定をすることもできます。
※依存関係は、Win32 アプリ間でのみ結ぶことができます。(基幹業務アプリ等とは依存関係を結ぶことはできません。)
置き換えアプリの設定(任意設定)
当設定項目は必須設定ではありません。
置き換えアプリとは Win32 のアプリを異なるアプリに更新ができる機能のことです。アプリ更新を手動で運用する場合に有効な機能です。
利用例として、手動で[Firefox ver.0.1]を[Firefox ver.0.2]にアップグレード(置き換え)したい、といったニーズがあった際に設定ができます。
※置き換えアプリ の機能は現在(2022/07)パブリックプレビューの段階です。
※置き換えられるのは Win32 アプリのみで、最大10アプリまで設定可能です。
詳しくは、Microsoft Docs をご確認ください。↓↓
Win32 アプリの置き換えを追加する - Microsoft Intune | Microsoft Docs
スコープタグの設定(任意設定)
当設定項目は必須設定ではありません。
スコープタグとは Intune 管理センター内で作成したポリシーやグループ等のオブジェクトに対し、タグを付与して一括管理ができる機能のことです。
今回のケースでは、配信するアプリに対して任意でタグを付与することが可能です。
※スコープタグを設定しない場合は、[既定]というタグが付与されます。
割り当ての設定
下記内容に沿って、割り当ての設定をします。
- 必須:強制配信をする場合に割り当てます。割り当てられたユーザー/デバイスはアプリが自動的にインストールされます。
- 登録済みデバイスで使用可能:任意配信をする場合に割り当てます。割り当てられたユーザーは Intune ポータルアプリ/サイトにて、 アプリのインストールが可能です。
- アンインストール:一度配信したアプリをアンインストールする場合に割り当てます。割り当てられたユーザー/デバイスはアプリが自動的にアンインストールされます。
割り当てる際は、[必須]及び[登録済みデバイスで使用可能]にアンインストール対象のユーザー/デバイスが割り当てられていないことを確認します。
最後に
今回は、Intune 管理センターでアプリ配信の設定をする方法について解説しました。
細かく解説したので、設定箇所が多く見えてしまったかもしれませんが、重要な設定箇所(躓きやすい箇所)は、下記だと思います。
- インストール/アンインストールコマンドの設定
- 検出規則の設定
- 割り当ての設定
また、割り当ての設定はユーザー影響が大きい設定項目なので慎重に設定しましょう。(数人のテストユーザーのみ割り当てる等)
次回は、デバイスでアプリの配信を確認する方法等について解説していきます。
大谷 洸二郎(日本ビジネスシステムズ株式会社)
Microsoft365 製品( Intune がメイン)の設計や構築などを担当しています。 日々の業務で学んだことを本ブログでアウトプットします。趣味はドライブと筋トレです。
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