2024年12月からサービス開始した新機能Microsoft Places(以降Places)について、どんなことができるのかを検証しています。
今回は、Placesにて勤務先として登録できる「建物」情報の登録方法を紹介します。
前提
Placesを利用するにはMicrosoft 365 E1やE3、E5などのベースライセンスのみでも利用できますが、一部機能はアドオンライセンスであるTeams Premiumが必要となります。
ライセンス要件の詳細はMicrosoftの以下公開情報を確認してください。
また、TeamsからPlacesを利用できるよう、「アプリ」からPlacesを検索し、Teamsに追加しておきます。

PowerShell 7の準備
Placesへ建物情報を登録するにはPowerShellから実施しますが、Windows PCに通常デフォルトでインストールされている「Windows PowerShell」ではなく、PowerShell 7をインストールしてPlacesにアクセスする必要があります。
PowerShell 7のインストールはWindows PowerShellから行えますので、Windows PowerShellを管理者にて起動して、以下コマンドよりPowerShell 7のインストール・Placesのモジュールをインストールします。
# PowerShell 7のインストール
winget install --id Microsoft.PowerShell --source winget
# Placesのモジュールをインストール
Install-Module MicrosoftPlaces –Force
Update-Module MicrosoftPlaces -Force
建物の登録方法
まずは前段でインストールしたPowerShell 7を起動します。

以下コマンドを実行し、Placesに接続します。
Connect-MicrosoftPlace

次に以下コマンドを実行し、Placesに対してできることの一覧を表示します。
Intialize-Places

Placesに対してできることの選択肢として、下記のように表示されます。
1. Export suggested mapping CSV of rooms and workspaces to buildings/floors/sections.
2. Import mapping CSV to automatically create buildings/floors/sections and map rooms and workspaces.
3. Export PowerShell script with commands to manually create buildings/floors/sections and map rooms and workspaces based on an imported CSV.
まずは1.のExport suggested mapping CSV of rooms and workspaces to buildings/floors/sections. *1を選択して、建物登録用のCSVフォーマットをダウンロードしたいと思います。
上記の画面にて「1」を入力すると、”Provide the folder path where the exported file should be saved.”と表示されるので、CSVをダウンロードする任意の場所のパスを入力します。

コマンドが"successfully"となると、指定した場所に「ResourceAccountsMapped.csv」という名前のCSVがダウンロードされます。

ダウンロードしたファイルを開き、登録する建物情報を記載して保存します。

CSVの内容についての注意点としては以下になります。
建物情報はユーザーごとに登録が必要です。このため表示したい建物の数×ユーザー数分レコードを登録する必要があります。例えば上記の画像だと、「Station Tower」というビルと「虎ノ門森タワー」というビルをAさんが選択できるようにしています(PrimarySmtpAddressの列にAさんのUPNを指定しています)
建物名に日本語など全角が含まれる場合、文字化けを避けるためにS-JIS等ではなくUTF-8にて保存してください。
再度、以下コマンドを実行して、Placesに対してできることの一覧を表示します。
Intialize-Places

次は2.のImport mapping CSV to automatically create buildings/floors/sections and map rooms and workspaces.*2を選択して、更新したCSVをアップロードしたいと思います。
上記画面にて「2」を入力すると、”Provide the path of the file to be imported.”と表示されるので、更新したCSVのパスを入力します。

建物情報の登録が成功すると、以下のように登録したレコード数などが表示されます。

登録された建物を設定する
登録された建物は、該当ユーザーのPlacesの「探索する」タブなどから、検索ができるようになります。

自身が今いる場所(勤務先)として設定することが可能です。
終わりに
コロナ禍からのリモートワークやハイブリッドワークの普及により、勤務地の多様化が進みました。
ハイブリットワークは多くの利点を生み出している一方で、同僚が今どこで勤務しているのか、どこへ行けば直接会えるのか把握しづらいという課題も生まれてきているのではないでしょうか。
このPlacesを活用することにより、同僚が今働いている場所をすぐに把握でき、コミュニケーションが効率化することを期待しています。
Placesの他機能も色々と検証する予定ですので、また共有させてください!
*1:訳:部屋とワークスペースの建物/フロア/セクションへのマッピング提案CSVをエクスポートします
*2:訳:マッピングCSVをインポートして、建物/フロア/セクションを自動的に作成し、部屋とワークスペースをマッピングします
Hiroko, Kimura(日本ビジネスシステムズ株式会社)
Microsoft 365製品の提案~運用が担当領域、特にTeams/Teams Phone多めです。趣味は音楽とテレビと映画。趣味にしたいのは筋トレ(エンジニアには筋肉が必要)。
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