Snowflake Summit 2025 現地レポート Day4

こんにちは。Data&AI事業本部の和村です。

4日間に渡ってサンフランシスコで開催されているSnowflake Summitですが、本日が最終日になります!

本日も、参加セッションの概要や最終日の会場の様子についてお届けしたいと思います。

DAY1~DAY3の様子

DAY1~DAY3の様子についてもレポートしておりますので、下記リンクからご確認ください。

参加セッションについて

本日は以下のセッションに参加してきました。

  • What's New: Deploy Accurate Conversational Apps in Cortex AI with AI Agents
    Speakers:Harshal Pimpalkhute,WillUppington(Snowflake)
  • Whtat's New: Eliminate Silos with Snowflake Horizen Catalog&Internal Marketplace
    Speakers:Riccardo Muti, Sanjay Srivastava(Snowflake)
  • Scaling Snowflake with Terraform: Building a Self-Service Data Platform
    Spearkers:Jumpei Chikamori, Haruki Takeuchi(CARTA HOLDINGS)

Deploy Accurate Conversational Apps in Cortex AI with AI Agents
(CortexAIでAIエージェントを用いて正確な会話アプリを展開する)

概要

2025年は「AI Agentの年」と呼ばれ、生成AIはアプリケーション開発の形を大きく変えようとしていました。

その変化に対応すべく、Snowflakeが独自のAIプラットフォーム「Cortex AI」を通じて、Agent型アプリケーションの開発支援に取り組んでいることが話されました。

  1. アプリケーション開発の進化
    • 従来のアプリは「モノリシック→マイクロサービス」と進化してきたが、手動のロジック実装や固定UI、複雑なAPI管理など、限界も多かった
    • これを解決するのが「エージェント技術」
    • 自然言語での指示や柔軟なツール利用が可能になり、非エンジニアでもアプリ開発が可能に
  2. エージェント活用の具体例
    • ブランド分析:顧客レビューや購買履歴をAI Agentが分析し、購入動機を可視化
    • 保険金請求:書類の不備を自動検知し、関係者にメールで通知
    • エンタメ業界:大規模なデータをAIで分析し、音楽・TV業界に洞察を提供
  3. Agentの構造と強み

Snowflakeはエージェント構築に必要な以下の機能を提供しています。

  • データ接続:OpenFlowで外部データを簡単に取得
  • 高性能モデル統合:OpenAIなど複数モデルに対応
  • ガバナンス:データはSnowflake内に完結
  • 検索機能:構造化・非構造化データ両対応の「Cortex Search」
  • ツール活用:自然言語での検索、グラフ作成、Web検索との連携
  • エージェントの記憶管理:短期・長期の会話履歴保持機能
  • フィードバック機能・ユーザーからの明示的な評価で品質向上
Cortex Agentsのデモ内容

実際にCortex Agentsを使用したデモも行われました。

  • 2段階で、「最大の販売業者はだれか?→契約条件は何か?」という複雑な質問に、正確に対応
  • 「プレミアムとエコノミーの商品の違いは?に対し、ターゲット層や価格、スペックなど複数視点で自動比較
感想

実際のデータ分析の自動化の様子が見られ、「人間のように考え、答えるAI」の実力を体感できました。

Eliminate Silos with Snowflake Horizen Catalog&Internal Marketplace
(Snowflake Horizon CatalogとInternal Marketplaceでサイロを排除)

概要

この講義では、Snowflakeの新しいデータカタログ機能「Horizon Catalog」と社内向けマーケットプレイス「Internal Maketplace」を活用し、部門間でバラバラに管理されがちな「データのサイロ化」を解消する最新手法が紹介されました。

Horizon Catalogは、Snowflake内のすべてのオブジェクト(テーブル、AIモデル、ノートブックなど)のメタデータを一元管理できる新機能です。

データの発券・検索・分類・アクセス制御までを支援し、特に以下の機能が強調されました。

  • 自動的な機密データ分類・タグ付け
  • ロールベースアクセス制御(RBAC)
  • Universal Serchによる横断的なデータ検索
  • カラムマスキングや差分プライバシーといった高度なガバナンス
Universal Searchのデモ内容

実際の画面で、"CAMPAIGNS"や"support cases"、"employees"などのキーワード検索が実演されました。

デモで説明された特徴は以下です。

  • 目的のデータがどこにあってもすぐに検索・メタデータ確認・アクセス申請が可能
  • アクセス件のないデータにも、「存在」だけは表示されるようになっており、誰にアクセス申請すべきかも分かる設計
  • PostgreSQLなど外部のDBのメタデータも取り込めるプレビュー機能の紹介
Internal MarketplaceとDataProductの考え方
  • DataProduct=ノートブック、テーブル、アプリなどを1つの"使いやすいパッケージ"として公開できる仕組み
  • データプロダクトには、以下のような要素が含まれる
    • ユースケース
    • サンプルクエリ
    • スキーマ情報
    • 公開元チームのプロフィール
  • 新UIのInternal Marketplaceでは、用途に応じて最適なDataProductを探し、すぐにクエリ実行、あるいはアクセス申請が可能
  • アクセス申請は、用途を記入して送信→提供者側が審査して許可という流れで、外部のJIRA等とも連携が可能
感想

この仕組みを使えば、誰でも簡単に社内データを探し出せ、使いたいデータに即アクセス申請・利用ができるため、今後AI活用が進む中で「信頼できるDataProduct」をいかに整備できるかが重要だと感じました。

Scaling Snowflake with Terraform: Building a Self-Service Data Platform
(TerraformでSnowflakeをスケール:セルフサービスデータプラットフォームの構築)

概要

Terraform(IaC)の活用方法が紹介されました。

Terraformを使って、以下のようなリソース管理を自動化します。

  • 管理対象
    • アカウント設定、ユーザー、ロール、データベースなどプラットフォーム全体の運用に不可欠なもの
    • AWSや他クラウドとの連携設定(セキュリティ面も含む)
  • 管理しない対象
    • テーブルやスキーマなど、頻繁に変更されるもの
    • Terraformでの管理に不向きなプロトタイプや一時的なリソース

この「取捨選択の方針」が、柔軟でスピーディな運用を可能にしています。

分担の工夫:Data TeamとData Ownerの役割分離
  • Data Team:モジュールの開発・保守、セキュリティや品質確保
  • Data Owner:ビジネス課題に集中。必要なリソースはモジュール経由で簡単に作成

これにより、「技術知識がなくてもインフラを扱える仕組み」が整備されています。

ワークフロー:Git Hubでデプロイ自動化
  • Data OwnerがPR(Pull Request)を作成し、自らレビュー
  • PRが承認されたら、CI/CDでTerraformが実行され、変更が反映

開発チームに依存せず、自己完結型の運用が可能になっている点が話されていました。

感想

インフラとデータの専門家で役割を分けつつも「ビジネスの現場がスピーディーにデータ活用できる環境」を徹底して整備していた点が印象的でした。

また、上記以外にも連日気になるセッションに参加していました。

新機能やAIサービス、CI/CDによる自動化、DataOpsなど様々内容のセッションに参加しました。

  • Unlock the future of AI Driven Enterprise Customer Support with Snowflake Cortex
  • What's New: Why You Should Migrate Your ML pipelines to Snowflake ML
  • What7s New: Advanced Analytics with Cortex AISQL, Native Semantic Views, and More
  • Accelerate Data Clean Room Deployments with GitHub and Snowflake
  • Building Cortex Agents on Snowflake: Why it Matters and Best Practices
  • What's New: Revolutionizing Data Movement with Snowflake Openflow
    ...etc

Dev Day パーティ

最終日の夕方頃、会場近くのYerba Buena Gardensでパーティが行われました!

Japan Receprion パーティ

日本参加者のパーティが行われ、今回のイベントの振り返りや普段の業務について語り合い、交流する機会を持つことができました。

おわりに

Snowflake Summit 25の現地レポートも本日が最後となります。

最終日を迎え、振り返ると非常に充実した4日間でした。広々とした会場で感じたグローバルな参加者の熱気は特別な経験に、刺激になりました。

普段はSnowflakeの運用やデータ連携に携わっていますが、イベントではデータベース設計やデータカタログ、AIや機械学習に関する新しい知識を得ることができ、自分の視野が大きく広がりました。

AIへの投資は企業にとって大きな挑戦ですが、Keynoteでも示されたように、SnowflakeはAIを既存のデータ基盤にシンプルかつ安全に統合できるように進化を続けており、誰もが自然に利用できる機能としてユーザーに価値を提供していることに期待感が一層高まりました。

また、データインジェスト機能の追加やコンピュートパフォーマンスの向上といった進展もあり、データの取り込みから分析まで迅速かつ経済的に行える環境が整いつつあると感じました。

運用に役立つ新機能やセキュリティの強化も紹介され、複雑な業務をよりシンプルかつ効率的に進めるヒントをたくさん得られたと感じています。

今後は新機能の検証やデータ基盤最適化の模索など、業務に活かしていきたいと思います。

執筆担当者プロフィール
和村 桜希

和村 桜希(日本ビジネスシステムズ株式会社)

2022年度入社。データ系サービスを扱うグループに所属しています。 趣味はダンスです。

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