前回はレイクハウスとノートブックを利用して、データの取り込みと簡単な加工を行いました。
Microsoft Fabricを利用した月次ファイルの連携方法【前編】 - JBS Tech Blog
今回はその続きとしてウェアハウスを作成し、パイプラインの実行、Power BIでの簡単な可視化を実施します。
ウェアハウス
ウェアハウスの作成
最初にデータを蓄積するためのウェアハウスを作成します。
[作成]を押下し、表示される新規の一覧からData Warehouse欄にある「ウェアハウス」を選択します。
選択すると、新しいウェアハウスの作成画面が表示されるので、名前を入力して[作成]を押下します。今回は「retail_wh」という名前で作成します。
ウェアハウスへのデータコピー
前編で作成したパイプラインの続きに、ウェアハウスへのコピー用のアクティビティを追加します。
【ソース】タブでの設定項目
接続 | Retail |
---|---|
ルートフォルダー | テーブル |
テーブル | onlineretail |
【宛先】タブでの設定項目
接続 | retail_wh |
---|---|
テーブルオプション | テーブルの自動作成 |
テーブル | dbo.retail |
【マップ】タブでの設定項目
設定が完了したら、一つ前のアクティビティ「ノートブック」の成功時と、アクティビティ「データのコピー」を接続します。
接続が完了したら[保存]し、[検証]を押下してパイプラインの設定に問題ないことを確認後、[実行]を押下します。
※今回は手動で実行していますが、スケジュールの設定をすることにより、定期的に実行させることも可能です。
また、完了通知をTeamsやOutlookを用いて実施することもアクティビティを設定すれば可能です。
(補足)実行完了後の処理
毎月の実行を行う場合には、元のExcelファイルの削除処理を追加するか、別フォルダへのコピー処理を追加する必要があります。
例えば、パイプライン実行完了後削除処理を追加した場合は、データを削除するアクティビティを追加し、削除したい対象を設定します。
この処理により、毎回実行後にレイクハウスに保存されているファイルが削除されます。
Power BI
Power BIを用いた可視化
パイプラインの実行が完了したら、ウェアハウス(retail_wh)を表示し、作成されたテーブル(retail)を確認します。
テーブルの確認ができたら、「新しいレポート」を押下し、レポート作成を行います。
右端のデータから必要なディメンションやメジャーのカラムにチェックを入れると、自動的に左のレポートキャンバスに表が設定されます。
※ 視覚化の「ビジュアルのビルド」から適したグラフを設定したり、フィルターにてデータの絞り込みを行うことも可能です。
グラフを設定し終えたら、右上にあるテキストボックスを追加し、「売上の確認」と入力します。入力が完了したら[ファイル]からレポートを保存します。
保存をした後で、ワークスペースから再度作成したレポートを開くと、ファイルのダウンロードやエクスポート、共有などが可能です。また、[編集]を押下すれば再度修正をすることも可能です。
終わりに
今回は前編の続きとして、ウェアハウスの作成からPower BIでの簡単な可視化までを紹介しました。
実施している内容は単純なものが多いですが、それだけでもグラフでの可視化までできるところがFabricの利用しやすさだと思います。
Fabricの機能はどんどん拡充されてきており、画面も以前と変わってきている場合もありますが、初めてFabricを触る方の参考になればと思います。