「MC538726 ミーティング要約機能の強化」や「MC543390 Teams会議にてAIによる要約機能が利用できるようになります」で告知されている通り、Teams会議でAIによる会議の要約機能が利用できるようになります。
- どういった機能か?
- 誰もが使える「要約」タブについての説明
- Teams Premiumユーザーでしか利用できない"インテリジェントな要約"機能について
- AI要約についての説明
- レコーディングについての説明
- 本当に正しく動作するのか?&使いこなしの方法
- まとめ
どういった機能か?
このアップデートは少々ややこしいので、説明の前に整理させていただきます。
- 現在のMicrosoft Teamsには、そもそも要約機能が存在しない
- 今後のアップデートで、Teams会議に「要約」タブが追加され、"会議の要約"が閲覧できるようになる
- これはTeams利用ユーザーであればだれでも利用できる
- Teams Premiumユーザーであれば、通常の要約機能に加えて「インテリジェントな要約機能」が利用できる。
誰もが使える「要約」タブについての説明
「要約タブ」は以下のような画面となります。
"要約"といっても、実質的には会議の録画と利用された添付ファイル、会議のメモ、文字起こしが一画面で見られるビューが提供されるだけとなります。もちろん、これだけでも便利ですけどね。
Teams Premiumユーザーでしか利用できない"インテリジェントな要約"機能について
こちらが公開された"インテリジェントな要約"を有効にした要約タブです。ノーマル版と比較して、左下にSpeakersとTopics、右側にAI NotesとMentionsが追加されているのが分かりますね。
以下のページに具体的な機能が書いてあるので、見ていきましょう。
Intelligent Meeting Recap in Microsoft Teams
AI要約についての説明
- ミーティングの録画データ(含むトランスクリプション、音声、共有されたコンテンツ、チャットメッセージ)をAIが分析し、AIによる会議要約メモや、タスクを生成して担当者に@mentionsを行う
- ミーティングの録画データに自動的にチャプターを生成する
- 会議中に見逃した部分の表示
- トップスピーカーの表示
レコーディングについての説明
"インテリジェントな要約"機能では、ただの録画ファイルだけではなく、"タイムラインマーカー"として以下の情報が提供されます。
- 自分の名前が読み上げられたタイミング
- 自身が遅れて会議に参加した場合、自身が参加したタイミング
- 自身が会議から早く退出した場合、自身が退出したタイミング
- 画面共有がONになったりOFFになったタイミング
本当に正しく動作するのか?&使いこなしの方法
今のところ、機能の詳細が分からず想像でしかないですが、この機能を上手く使うための方法を考えました。
1.会議録画は必須
まず、会議の録画は必須と考えていいでしょう。ミーティングの録画データを元にAIが分析をするので、録画をしないミーティングは分析の対象外。Teams Premiumを持っているのに会議を録画しない、という選択肢はないです。
録画をするとテナントのSPO容量を消費してしまいますが、Teams既定の設定だと90日で録画データが消えるので容量パンクの心配は少ないでしょう。録画を忘れる場合、Teams会議の設定で「会議を始めたら自動的に録画をする」設定をONにしておけば問題ありません。
2.画面共有やチャット、会議メモを取る
録画をしても、音声データだけで正しくAIが内容を分析するのは難しいでしょう。アジェンダが決まっている会議なら、Power PointをPower Point Live形式で共有することで、Power PointのデータをTeamsにアップロードする形となり、より正しい分析ができると考えられます。
※ ただの画面共有だと画像データだけしか情報としては乗ってこないので、分析精度が落ちると考えられる
また、Power Point Liveで資料を共有すると、ページめくりのタイミングで自動チャプターも打ってくれますし、会議の進行度合いをAIに教えることが出来ます。
AIによる分析を有効活用するために、なるべく多くの情報=定型データを会議中に取得することが望ましいと思われます。
3. 人の名前を正確に呼ぶ?
こちらの画面ショットを見ると、トランスクリプト中に参加者の名前を発言したのを検知して、その人宛のタイムラインマーカーを生成しています。つまり、あだ名で人を呼んだ場合、タイムラインマーカーは生成されません…。
ただ、この機能が有効活用できるかは個人的には疑問に思っております。日本語の名前を正確にトランスクリプトしてくれるか、というと疑問ですし、日本だと「○○さん」と呼ぶので、Azure ADの表示名と不一致になります。また、会議参加者に同姓同名がいた場合はどうなるか、という疑問もあります。
一番よさそうなのは、会議メモに手動で@メンションとタスクを記録して、AIに提供する事でしょうか。
まとめ
疑問符がつく機能もありますが、有効活用出来たら会議の振り返りが楽になるのは間違いありません。この機能は2023年5月~6月には利用できるとの事で、早く使ってみたいです!
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寺田 敬佑(日本ビジネスシステムズ株式会社)
クラウドマネージドサービス本部 所属。Microsoft 365 導入エンジニアとしてキャリアを重ねたのち、現在は JBS の Microsoft 365 系サービス/プロダクトマネージャーとしてサービス開発指揮を執る。
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