最新のMicrosoftのAIサービス
昨年(2021年)のIgniteで Language Studio が発表されました。現在のAzureのAI関連のサービスの整理は以下となっています。
Azure Applied AI Services
従来のAzure Cognitive ServicesでAPI提供されていたAIサービスを業務に使いやすくしたものです。
Azure Machine Leaning
自分でモデルを作るサービスです。APIで用意されていないものや自身でモデルを作りたい場合に利用します。
Azure Cognitive Services
API での利用を前提となっていますが、コードを書かなくても使えるものがいくつかあります。
今回はLanguageの新しいサービスが発表されたのでこちらの説明を進めていきます。
Languageサービス
Languageサービスは文章からの個人情報やキーフレーズの抽出や文章の感情分析や言語の検出、文章を元にQAを返答する機能などがあります。これらの機能を試す際に以前はAPIを使うのでPostmanや自身でコードを書く必要がありましたが Language Studioがリリースされ簡単に試すことができるようになりました。
Language Studioのデモ
Language Studioの使い方
https://language.azure.com/へアクセスを行い、サブスクリプションとリソースを選ぶと利用できます。(リソースは無料のF0で試せます)
諸設定を行いリソースを紐づけるとトップページにアクセスしメニューが表示されます
現在提供されている機能は以下の4種類です
- Extract information(抽出)
文章から個人情報やキーフレーズやエンティティを抽出します。 - Classify text(分類)
文章の感情をポジティブ、ネガティブ、ニュートラルの3つに分類したり、文章の言語(日本語、英語、スペイン語など)を分類します。 - Answer questions (QA)
文章を読み込み、その文章に対する質問に答えます。 - Understand conversational language(言語理解)
会話から意図を理解させることができます。
例: 「Johnのメールを読んで」という文章を投げると意図を「読み取り」でエンティティを「"John":送信者」と理解するので、意図とエンティティを後続処理することにより例えばスマートスピーカーのようなものも作れます。
今回はExtract information(抽出)とAnswer questions (QA)について試してみます。
個人情報の検出
Language Studio でExtract PIIを選択します。
日本語を選択してリソースを選び、私のメールの署名を使い試してみました。
結果がこちら
日本語でも部署名、氏名、メールアドレス、電話番号が検出されたことが確認できます。企業が文章などを外に出す際に個人情報の消し漏れがないかなどの確認に応用できるのではないかと考えます。
文章を読み込みQAに答える
Language Studio でAnswer Questionsを選択します。
日本語を選択してリソースを選び、 弊社のHPにLucy’sという社員食堂を紹介ページがあるのでそちらの紹介文をサンプルに試してみました 。
JBS Lucy’s紹介ページ (https://www.jbs.co.jp/aboutus/lucys)
この文章を読み込ませて「オフィス移転したのはいつ?」という質問を投げます。
結果がこちら
Long answerは文章のブロック全体が表示されていますが、short answerでは意図を推測し2014年と答えています。
このあたりの精度はまだまだ発展途上ですが、従来のExcelで質問と答えを用意するQAよりもかなり進化しています。
上田 英治(日本ビジネスシステムズ株式会社)
エンジニアとしてインフラ構築、システム開発やIoT基盤構築等を経験し、現在はクラウドアーキテクトとして先端技術の活用提案や新規サービスの立ち上げを担当。
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