以前の記事で、Azure Resource Managerのデプロイモードについてご紹介しました。
デプロイモードの仕組みを理解したことで、ARM TemplateでもCI/CDのパイプラインを作ることができるのではないかと思い、今回試してみることにしました。
本記事ではAzure PipelinesでARM TemplateのCI/CDパイプラインを作成するための事前準備をしていきます。
CI/CDとは
CI/CDとは継続的インテグレーション(Continuous Integration)と継続的デリバリー(Continuous Delivery)の略称です。
CI/CDはソフトウェア等の変更を継続的にテストし、自動でデプロイするようにした開発手法のことを指します。
事前準備
今回は以下のドキュメントを参考にし、CI/CDのパイプラインを作成していきます。
パイプラインを作成するにあたり、いくつか事前準備が必要です。
Azure DevOps組織の設定
CI/CDパイプラインの実装にAzure Pipelinesを利用するため、Azure DevOps組織を作成する必要があります。
本記事では詳細な手順は省きますが、Azure DevOps組織がない場合は以下のドキュメントを参考にし、Azure DevOps組織を作成してください。
Azure DevOpsプロジェクトの作成
Azure Pipelinesを利用するためには、DevOpsプロジェクトが必要になるため、作成していきます。
まずAzure DevOpsにサインインし、「+New Project」をクリックします。
プロジェクト名を入力し、「Create」をクリックします。
しばらく待つとプロジェクトが作成され、自動で作成したプロジェクトに遷移します。
これでプロジェクトが作成できました。
続いて、Azure PipelinesでAzureに対してデプロイするためにはサービスプリンシパルが必要なため、 サービス接続設定をしていきます。
※設定方法は以下のドキュメントをご参照ください。
先ほど作成したプロジェクトの左下にある「Project settings」をクリックします。
Pipelinesの下にある「Service connections」をクリックします。
「Create service connection」をクリックします。
設定画面が表示されたら「Azure Resource Manager」を選択し、「Next」をクリックします。
「Service principal (automatic)」を選択し、「Next」をクリックします。
以下の設定値を入力し、「Save」をクリックします。
設定項目 | 値 |
---|---|
Scope level | Subscription |
Subscription | 利用するサブスクリプション |
Resource group | 入力しない |
Service connection name | 任意のサービス接続名 |
Grant access permission to all pipelines | チェックを入れる |
しばらく待つとサービス接続が作成されます。
これでプロジェクトの設定は完了です。
リポジトリの作成
次はリポジトリの作成をします。
Azure Pipelinesを利用するために、ソースコードを格納するリポジトリを準備する必要があります。今回はAzure Reposを利用するため、Azure Reposのリポジトリを作成していきます。
先ほどのプロジェクト画面の左メニューより、「Repos」をクリックします。
ソースコードを格納するブランチを作成します。画面一番下にある「Initialize」をクリックしてmainブランチを作成します。
※本記事ではReposの画面から作成していますが、ブランチの作成方法及びブランチ名は問いません。
mainブランチが作成されました!
ソースコードのプッシュ
先ほど作成したリポジトリのmainブランチに、ARM Templateをプッシュします。
ARM Templateは以前の記事で利用したARM Templateを利用していきます。
また、リポジトリにソースコードをプッシュするためにはGitが必要になるため、インストールされていない方は以下のURLを参考に、インストールをします。 www.atlassian.com
まずはリポジトリをクローンするために、「Clone」をクリックしてURLを取得します。
赤枠をクリックしてURLをコピーし、控えておきます。
URLが取得できたので、Gitコマンドが利用できるターミナルで以下のコマンドを実行し、リポジトリをクローンします。
# 任意のディレクトリに移動 cd xxxxxx # リポジトリをクローンする git clone [先ほど控えたURL]
クローン後、ARM TemplateファイルをREADME.mdと同じ階層に配置します。
配置できたら以下のコマンドを実行し、リモートリポジトリのmainブランチにプッシュします。
# 現在の状態を確認する git status # 変更されたファイルを追加する git add . # 現在の状態を確認する git status #コミットする git commit -m "add ARM Template" #リモートリポジトリのmainブランチにプッシュする git push origin main
プッシュできたので、Azure Reposの画面で実際に確認していきます。
mainブランチにARM Templateファイルが追加されたことを確認できました!
これで事前準備は完了です。
まとめ
今回はAzure PipelinesでARM TemplateのCI/CDパイプラインを作成するための事前準備についてご紹介しました。
次回はAzure Pipelinesの設定をしていきます。