「ChatGPT」 自然な対話を可能にするAI言語モデルの魅力と活用例(1)

現代のテクノロジーの進化により、私たちの生活はますますデジタル化され、コミュニケーションはオンラインで行われることが一般的になってきています。

その中で、最近注目されているのが自然言語処理(NLP)です。NLPは、人間の言語をコンピューターが理解し、処理するための技術です。

その進歩により、音声アシスタントやチャットボットとのやり取りが容易になりました。この記事では、「ChatGPT」に焦点を当て、その仕組みや機能、実際の利用例について紹介していきます。

これだけは押さえておきたい生成系AI用語

生成系AIの用語説明

AIの分野には、生成系AIに関連する多くの用語があります。

AI関連の技術用語やメディアでもよく耳にすることが多いですが、ここでは特に押さえておきたい用語を紹介します。

生成系AIの用語一覧

類似用語の整理

ここまで一部の用語の紹介をしましたが、生成系AIの用語説明の表に記した中で、私自身も理解が難しかった用語を3つ紹介します。

「大規模言語モデル(LLM)」と「自然言語処理(NLP)」との違い

結論から言うと、大規模言語モデル(LLM)は自然言語処理(NLP)の一部です。

「自然言語処理(NLP)」は、コンピュータに人間の言語を理解・処理させる技術であり、機械翻訳や音声AIシステムなどに使用されます。大規模言語モデル(LLM)は自然言語処理(NLP)を基盤としており、人間との対話に適しているとされる技術です。

自然言語処理(NLP)と大規模言語モデル(LLM)の違い
「生成AI」とはなにか

生成AIとは、音楽や映像、文書などを自動生成するAI技術の総称です。大規模言語モデルや自然言語処理も、生成AIと呼ばれるモデルの一つです。

「生成AI」とはなにか

ChatGPTとは

おさらいしますが、「ChatGPT」とは、自然な対話を可能にするAI言語モデルのことです。

GPTは「Generative Pre-trained Transformer」の略であり、2017年にGoogleによって開発された「Transformer」という自然言語処理モデルをベースにしています。

2018年に初代GPTが発表され、その後、2022年にはGPT-3.5が発表されました。現在の最新版であるGPT-4は、GPT-3.5と比べて性能を表すパラメータ数が数倍であると言われています。

一般的に、大規模言語モデルはファインチューニングを行うことで、様々な自然言語処理(NLP)のタスクに適応させることができます。

大規模言語モデルの代表例としては、2018年にGoogleが発表した「BERT」や2020年にOpenAIが発表した「GPT-3」があります。

そして、「ChatGPT」は2022年初頭にトレーニングされた「GPT-3.5シリーズ」をチャット(対話)向けにファインチューニングしたものです。

ChatGPTの仕組み

ChatGPTの何が凄い?

ChatGPTユーザーが感じている一番の魅力は、「圧倒的に賢く、多様な質問にも答えてくれる」ということに尽きるかもしれません。

ChatGPTは大規模な言語モデルを基盤としており、トレーニングデータから学習した知識を活用して、様々な質問に対して適切な回答を生成することができます。

そのため、ユーザーは自分の疑問や情報を手軽に聞くことができ、応答の質と多様性に対して高い満足度を感じているのかもしれません。

ChatGPTは何を学習している?

ChatGPTは、様々な質問に対して設定された条件下で的確な回答を提供することができます。

学習に使用されるデータは多岐にわたり、ウェブページ、ニュース記事、書籍、雑誌、論文などの情報を取り入れています。その結果、幅広い知識と情報を獲得しています。

しかし、生成される回答はユーザーの入力によっても影響を受けるため、必ずしも正確な情報を提供できるとは限りません。応答を受ける際には常に情報の信憑性を確認することが重要です。

主に学習しているデータ

ChaGPTの得意なことと注意点

ChatGPTの得意なことを下記の図にまとめました。

ChatGPTの得意なこと

「応答を受ける際には常に情報の信憑性を確認することが重要です」と述べました。このように、ChatGPTの回答には注意が必要です。

特に、生成系AI用語に記載されている「ハルネーション」には注意が必要です。ハルネーションとは、生成系AIが現実には存在しない架空のものを出力してしまうことを指します。

その原因は、ChatGPTが言葉の意味を完全に理解していないためです。

ChatGPTは自身が入力された文章に確率的にありそうな文章を生成する手法を用いています。しかし、大量のトレーニングデータを用いた結果、知性を持ったような振る舞いをすることもあると報告されています。

しかし、ChatGPTは「検索エンジン」ではなく、2021年9月までの情報しか知りません。そのため、ChatGPTを使用する際には、その制約を理解し、生成された回答の正確性や信憑性を確認することが重要です。

以上の点を心に留めながら、ChatGPTを適切に利用しましょう。

ChatGPTのよくない使い方

おわりに

以上が「ChatGPT」 自然な対話を可能にするAI言語モデルの魅力と活用例の第一弾となります。

次回は第二弾として実際の活用例について記事を出す予定です。

執筆担当者プロフィール
石黒 允規

石黒 允規(日本ビジネスシステムズ株式会社)

ネットワークインテグレーション部に所属しており、主にAzureに関する業務を行っています。 JBS野球部にも所属しており、週末を楽しく過ごしております

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