【Power Automate】Formsの回答Excelに部署情報を追記するフロー

Formsアンケートの回答収集をする際、[名前を記録]のチェックがオンになっていれば、メールアドレスと姓名情報は既定でExcelに記録されますが、部署情報は記録されません。

部署情報も併せて取りたい、と考えた時に、こんな悩みはありませんでしたか?

  • 部署情報を選択肢にしても良いけど、全社員対象のアンケートなので数十以上の候補から選択させるのは避けたいな…
  • 手書きで回答してもらうと表記ゆれが出て集計が大変だな…
  • 部署情報を集めたかったのに、設問を設けて記載してもらうの忘れてた!

そんな時に役立つPower Automateを使った裏技を紹介します!

フローの概要

冒頭の悩みを解決するために、Power Automateを使ってFormsの回答者の部署情報を追記するフローを用意しました。

Formsに投稿されたタイミングで実行するようにすることもできますが、今回は手動で実行するようにトリガーを設定しました。こうすることで、部署情報を記載する設問を設け忘れた場合等でも活用できます。

▼フロー全体図

事前準備1:Formsの設定確認

1.対象のFormsの編集画面を開きます。

2.画面右上の[・・・] - [設定]をクリックします。

3.「自分の組織内のユーザーのみが回答可能」または「自分の所属組織内の特定のユーザーが回答可能」が選択され、「名前を記録」にチェックが入っていることを確認します。

事前準備2:Formsの回答が記載されているExcelにシートを追加する

1.Formsの回答が記載されているExcelファイルを開きます。

   ※[Excelで開く]をクリックした際、回答のExcelがPCにダウンロードされた場合は、OneDriveやSharePoint Onlineなどに保存してから開いてください。

2.[Form1]シートをコピーして複製します。

※今回はFormsの回答そのままのシートと部署名が反映されたシートを分けるために事前準備としてシートを追加していますが、Formsの回答シートにそのまま部署名を反映させても問題ない場合は、[Form1]シートに部署名を入力する列を追加してください。

3.複製したシートを開き、部署名を入力する列を追加します。

4.[テーブルデザイン]タブを開き、テーブル名をわかりやすく変更します。

    ※既定の名前で識別できる場合はそのままでも構いません。

5.ファイルを上書き保存します。

フローの作成手順

1.Power Automate[作成]タブを開きます。

2.[インスタントクラウドフロー]を選択し、フロー名とフローのトリガーを選択して[作成]をクリックします。

※今回は、Formsに名前や部署名を入力する設問を作成し忘れた場合を想定し、後から追加することが出来るように、インスタントクラウドフローの[フローを手動でトリガーする]を選択しています。

3.[表内に存在する行を一覧表示]アクションを追加して、下記のようにFormsの回答が記載されているExcelファイルを選択します。

 ・場所:OneDrive for Business
    (グループのフォームとして作成したフォームの場合は、グループに紐づくSharePointサイトを選択)

 ・ドキュメントライブラリ:OneDrive

 ・ファイル:Formsの回答が記載されているExcelファイル名

 ・テーブル:フォーム作成時に自動で作成されたもの(デフォルトではテーブル1

4.[ユーザープロフィールの取得]アクションを追加し、ユーザー(UPN)欄に動的なコンテンツ内の[メール]を追加します。

5.[行の更新]アクションを追加し、下記のように設定します。

 ・場所:OneDrive for Business
   (グループのフォームとして作成したフォームの場合は、グループに紐づくSharePointサイトを選択)

    ・ドキュメントライブラリ:OneDrive

 ・ファイル:Formsの回答が記載されているExcelファイル名

 ・テーブル:事前準備②で作成したテーブル名(作成していない場合はデフォルトのテーブル1

 ・キー列:ID

 ・キー値:動的なコンテンツ内の表内に存在する行を一覧表示の[ID]

 ・部署名:動的なコンテンツ内のユーザープロフィールの取得(V2)の[部署]

6.フローを[保存]します。

7.画面右上の[テスト] - [手動] - [実行]にて正常にフローが動作するか確認します。

おわりに

Power Automateを使ってFormsの標準機能では自動で取得できない部署情報をユーザープロフィール情報から取得する裏技をご紹介しました。

今回は、部署情報を記載する設問を設け忘れた場合など、アンケート回答収集後に「手動でフローをトリガーする」方法にしていますが、「自動化したフロー」の「新しい応答が送信されるとき」をトリガーアクションに指定して、アンケート回答収集と同時に実行させても良いと思います。

Formsだけでなく、Microsoft 365のアプリの標準機能では叶えられなかった動作もPower Automateを組み合わせることで実現可能な場合がたくさんありますので、ぜひ色々なフローを作成してみてください。

執筆担当者プロフィール
飯田 美月

飯田 美月(日本ビジネスシステムズ株式会社)

プロフェッショナルサービス本部でMicrosoft 365(主にSharePointやPower Platform)の利活用支援を行っています。

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