Lenovo XClarity Controller(以下XCC)には「Call Home(コール・ホーム)」と呼ばれる、ハードウェア障害を早期に検知する機能が標準搭載されています。
この機能を活用することで、障害発生時の迅速な初動対応につながります。
一方で、構築や運用の現場では「接続テストに失敗する」といった事象に遭遇することがあります。特にネットワークが閉域環境で構成されている場合、機能の失敗には複数の要素が関係するため、原因の特定に時間を要することも少なくありません。
本記事では、XCCの「Call Home」が失敗した際に確認したポイントや切り分け方法について紹介します。
同様の事象が発生した際の確認チェックリストとしてご活用いただければ幸いです。
Call Homeとは
Call Homeとは、Lenovoサーバーにてハードウェア障害や、その予兆を検知した際にXCCからベンダーサポート窓口へ自動的に通知を送信する機能です。
Lenovo サポートへの自動問題通知 (コール・ホーム) のセットアップ | XClarity Administrator Docs | Lenovo Docs
この機能を活用することで、サーバー管理者が障害に気づく前にサポートからの連絡を受けられる場合があるため、迅速な初動対応につながります。
事象について
Lenovoサーバーを導入するにあたりCall Homeを利用する場合、大きく分けて下記2ステップを以て構成をします。
- 管理者の連絡先設定
- Lenovoサポートサーバーへの疎通確認(テストCall Home)
上記2ステップの中でも「2.Lenovo所有サーバーへの疎通確認(テストCall Home)」に失敗するという事象があります。
主な確認ポイント
DNS設定
Call Homeの通信ではXCCがLenovoサポートサーバーへ接続する際に、接続先のホスト名をIPアドレスへ変換するためのDNS名前解決が必須となります。
そのため、DNS設定に誤りがある場合、Call Homeの接続テストが失敗する原因となります。
確認リストは以下となります。
- DNSサーバーのIPアドレスに誤りがないか
- DNSサーバーへネットワーク的に到達可能か
- DNSサーバーが外部ドメインを解決できるか
解決が必要な外部ドメインは以下2つです。
- soaus.lenovo.com
- logupload.lenovo.com
デフォルトゲートウェイ設定
前述の通り、XCCはLenovoサポートサーバーへインターネット経由で通信を行います。そのため、管理ネットワークから外部ネットワークへ通信するための経路が正しく設定されている必要があります。
確認リストは以下となります。
- XCCのデフォルトゲートウェイ設定(IPアドレス)に誤りがないか
- ネットワーク機器側で対象セグメントのルーティングが設定されているか
ファイアウォール通信許可設定
DNS設定およびデフォルトゲートウェイ設定に問題がない場合は、LenovoサポートサーバーとHTTPS通信が出来ていない可能性があります。
Call Homeでは、XCCからLenovoサーバーへHTTPS(TCP/443)を利用して通信を行います。
Firewalls and proxy servers | Lenovo XClarity Controller 2 | Lenovo Docs
そのため、名前解決は成功していても、ファイアウォールの影響によってHTTPS通信が遮断されている場合、接続テストは失敗します。
確認リストは以下となります。
- 管理ネットワークからインターネットへのHTTPS通信が許可されているか
- ファイアウォールでTCP/443が遮断されていないか
上記ポイントを確認するにあたり、ポート番号443を指定したTest-NetConnectionコマンドを実行することも有用です。
プロキシ設定
企業ネットワークでは、インターネット向け通信を直接許可せずにプロキシサーバーを経由させる構成が採用されている場合があります。
そのような環境では、DNS設定やデフォルトゲートウェイ設定に問題が無くても、プロキシ設定が正しく構成されていなければ、Call Homeは正常に通信が出来ません。
確認リストは以下となります。
- HTTPプロキシを利用しているかどうか
- プロキシサーバーのIPアドレスに誤りがないか
- ポート番号が正しく設定されているか
- プロキシ認証が必要な場合、認証情報が正しく設定されているかどうか
- プロキシ経由でLenovoサポートサーバーへ通信が可能か(テスト・プロキシ)
その他の対応
早期に本事象を解決するために、サポート窓口へ問い合わせをすることも一つの手段です。その際は、対象のXCCからデバッグログを採取して送付する必要があります。
運用環境によっては、ログの取得が後日になる場合があります。例えば、データセンターに設置されている場合や、入館手続きや作業時間の制約により、すぐに現地へ訪問できないケースが考えられます。
そのため、Call Homeの接続テスト失敗を確認した段階でデバッグログを取得し、保管しておくことでその後の調査を円滑に進められます。
XCCでのデバッグログの取得手順は以下となります。
- 対象XCCへログイン。
- 画面上部の「サービス・ログ」をクリック。

- 「デバッグ・ログ」をクリックし、ダウンロード。
おわりに
本記事では、XCCのCall Home接続確認(テストCall Home)が失敗した場合の確認ポイントについて紹介しました。
XCC自身の設定値確認だけでなく、現場のネットワーク設定やセキュリティポリシーなど複数の要素が関係しているケースが多々あります。
また、接続確認(テストCall Home)の失敗が判明した段階で、デバッグログを取得しておくことで、サポートへの問い合わせや原因調査を円滑に進めることが出来ます。
今回紹介した内容が、同様の事象に遭遇した際の切り分けや調査の一助となれば幸いです。
今後も実際の現場で得られた知見があれば、継続して共有していきたいと思います。
佐藤 巧也(日本ビジネスシステムズ株式会社)
ハイブリッドクラウド2部所属。最近はオンプレミスと仮想基盤を扱う事が多いですが、将来的にはクラウドも扱えるようになりたいので勉強しています。趣味はバイクと服です。
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