ユニファイドコミュニケーション(以後UCと記載)は、現代のビジネスにおいて非常に重要な役割を果たしています。複数の通信手段を統合することで、よりスムーズで効率的なコミュニケーションを実現し、企業の生産性向上に寄与しています。
この技術により、従業員間のコラボレーションが促進され、業務の効率性が大幅に向上します。昨今では企業において電話交換機の入れ替えを行う際に、UCで検討を行うケースが増えています。
UCでは電話番号を付加することで、既存の電話交換機からの置き換えの検討をすることが可能です。システムに対し、新たに電話番号を設けることや、既存の電話交換機で使用している番号をクラウドで収容することも可能です。
電話番号の収容は1つの課題となります。利用中の番号をいかにクラウドに伝えるかが課題となります。
この度は、既存の回線を流用し電話交換機だけを入れ替えする方法で必要な、回線収容ゲートウェイについて説明します。
利用中回線からの選択肢
収容できる電話回線には、主に4つの種類があります。INS64、INS1500、光回線、アナログ回線がそれにあたります。
それぞれの回線には特徴があり、利用中の回線に適したボイスゲートウェイを選択する必要があります。
また、利用している電話回線の契約内容によっても選択肢が広がります。どの機器を採用するかを考える時、自社で利用中の回線種別、本数、チャネル数などの情報から機器の選択を行います。
INS64
INS64は1回線当たり2つの通話チャンネル(2CH+Dch)を提供し、番号も自由に追加できます。回線はアナログと同じ銅線で敷設されており、デジタル信号を介して通信が行われます。
そのため、利用するボイスゲートウェイはBRIに対応した機器を選択します。
注意点は回線数です。INS64の電話回線での運用は通常1~4回線で行われます。複数の回線をUCで利用する場合は、対応するポート数を持つ機器選択が必要です。

INS64 接続構成
INS1500
INS1500は、高速かつ大容量のデータ通信を提供するサービスで、主に企業向けに利用されています。通信は光信号で行われ、ONU(光回線終端装置)によってデジタル信号に変換されます。1回線あたり23チャンネル(23CH+Dch)を提供し、番号の追加も可能です。
この回線はインターネット回線に似ていますが、インターネット通信ではなく、主に電話専用の回線として使用されます。

INS1500 接続構成
光回線
光回線は2010年から総務省とNTTが主観となりINS64 とINS1500の代替え回線として普及した回線です。実際の回線は光ファイバーで敷設されており、通信は光信号となります。光信号を通話信号に変換するためボイスゲートウェイの設置が必須となっています。
ボイスビジネス用のボイスゲートウェイは大別して2種類あり、オフィスゲートウェイ(以後OG)とボイスゲートウェイ(以後VG)が存在します。OGとVGはオフィスで使っている電話番号の全てが収容されています。
光回線契約時は多くの接続形態を選択できます。OG、VGはSIPおよび既存の利用中通信形態と同じくBRIやPRIでの通信も可能です。

光回線23Chの場合の接続構成
アナログ回線
アナログの電話回線を収容してUCを実施するのは推奨されていません。
アナログ通信はUCへ接続する場合、必ずアナログ音声をデジタルへ変換する必要があります。また、UCから通話者までの通信ではデジタルからアナログへの通信が行われます。
現在多くの技術でデジタルアナログ変換技術が存在しますが、100%完璧な技術が存在していません。UC環境ではトラブルの原因となります。
UCでアナログ回線を利用したい場合は事前にアナログからINS64への契約変更を行うか、付帯する番号を別のINS回線の子番号に登録するなど検討ください。
現地調査の実施
電話回線をUCで利用する場合、事前に回線情報の収集がとても大切です。
利用中の回線の数や種類を確認する際の確実な方法は以下の2つです。
- 現地で敷設されている配線と、既存の電話交換機との接続状況を確認
- 通信キャリアからの請求書を確認
これらの情報に基づき、最適な機器を選定します。
機器の選定
INS64が1本敷設されている場合、それは1BRIに相当し、4本であれば4BRI対応の機器が必要です。INS1500の場合、1本で1PRIに相当し、複数回線を収容する場合には対応可能な機器を選択します。
また、VG、OG導入済みの環境ではSIP対応のボイスゲートウェイの選択ができます。機器の金額は回線数が多くなれば高額になる傾向がありますが、そのほか各種メーカーにより付帯機能により変わります。
回線の仕様が解れば、安価なボイスゲートウェイの選択も可能となります。
まとめ
UC採用時ボイスゲートウェイの選定は、現行の電話回線契約を正確に把握することで適切に行えますが、電話番号の社内での役割や回線契約に共するその他番号の確認も欠かせません。
UCは、未来の通信を支える重要な技術です。電話通信は今後も進化し続け、SIPトランクの利用が増加する中で、電話番号に関する法整備や新たな規則の導入も予想されます。
今後も最適な選択をするためには、最新の技術動向や通信事業の発展を常にキャッチアップし、知識を深めることが求められます。
高山 智行(日本ビジネスシステムズ株式会社)
入社24年目、パケット音声にまつわる技術をJBSにため込みたいと考えています。 そのため、レガシーPBXからクラウドPBXまた通信端末として電話機やスマホに詳しいです。 WindowsよりLinuxやAsteriskに精通しています。 音声パケット通信のためのネットワーク構成もここに残します。
担当記事一覧