OSS DB Silver ver3.0 合格体験記(後編)

今回の合格体験記は前編と後編の2部編成です。

前編:主に使用教材など学習方法や、難易度の所感について
後編:OSS DB ver2.0とver3.0の違いと、どちらを受験すべきかについて

本記事では、ver2.0とver3.0の違いや受験してみての所感を中心に紹介します。

ver3.0が配信された直後で対応した教材がない中、ver3.0を受験しようか悩んでいる人の参考になれば幸いです。

OSS DB Silverとは

OSS-DB試験は、オープンソースデータベースのPostgreSQLに関する資格試験です。OSS-DB試験は「Silver」と「Gold」の以下2つのレベルがあります。

Silverオープンソースデータベースに関する基礎的な知識を持ち、小規模なデータベースの設計・開発・導入・運用ができる技術者であること。

Gold大規模なデータベースシステムの改善・運用設計・コンサルティングができる技術者であること。

今回は基礎的な試験であるOSS DB Silverを受験しました。

また、本試験は2023年2月よりver3.0となり出題範囲が改訂されました。以下で詳しく説明します。

oss-db.jp

ver2.0とver3.0の違い

認定と試験ついて

OSS DB Silverは2023年2月よりver3.0に改訂されましたが、2023年8月まではver2.0の受験が可能となっています

ver2.0とver3.0どちらを受験しても得られる認定は、OSS DB Silverであり同じです。資格を取得することだけが目的の場合は、ver3.0の教材がない中で無理にver3.0を受験する必要はないと思います。

しかし、今後業務等でPostgreSQLを利用するため勉強をしている方はver3.0を受験されることを強くおすすめします。理由は次で説明します。

PostgreSQLバージョンの違い

OSS DB Silver ver2.0とver3.0では対応しているPostgreSQLバージョンが違います。
また、PostgreSQLのバージョン毎にサポート期限が定められています。

・OSS DB Silverバージョン別バージョン対応範囲

試験ver 対応範囲
ver2.0 PostgreSQL10~11
ver3.0 PostgreSQL12~14

・PostgreSQLバージョン別サポート期限
(10以前のバージョンについては既にサポートは切れています。)

PostgreSQLバージョン サポート期限
15 2027年11月
14 2026年09月
13 2025年11月
12 2024年11月
11 2023年11月
10 2022年11月

2つの表から分かる通り、ver2.0で対応している範囲のPostgreSQLについては、サポート期限がかなり近くなっています。今後PostgreSQLを利用するという方は、基本的にサポート期限切れのバージョンを利用することは少ないと思うので、学んだ知識を無駄にしない為にもver3.0を受験することをおすすめします。

出題範囲の変更箇所

ver3.0の出題範囲の変更箇所はOSS DB Silverの公式ページから確認できます。⾮構造化データとレプリケーションの基本知識が新たに追加されているようです。

OSSDB-v3.pdf (akamaized.net)

細かい変更箇所を、セクション別でまとめました。

追加範囲
  • 一般知識
    • 変更なし
  • 運用管理
    • pg_config
    • pg_controldata
    • pg_isready
    • pg_resetwal
    • ⾮排他的低レベルバックアップ
    • Archive Recovery
    • backup_label
    • tablespace_map
    • postgresql.conf
    • recovery.signal 
  • 開発/SQL
    • レプリケーションの基本機能、種類、特徴
    • ストリーミングレプリケーション
    • ロジカルレプリケーション
    • GENERATED (AS IDENTITY)
    • JSON
    • JSONB
    • CREATE PUBLICATION/SUBSCRIPTION
    • JSON PATH
    • CALL 
削除範囲
  • 一般知識
    • 変更なし
  • 運用管理
    • pg_ctl initdb
    • recovery.conf
  • 開発/SQL
    • ルール
    • RULE

試験の難易度

前編の記事でも述べましたが、私はver2.0のテキストと問題集で学習を進め問題なく合格することができました。

人によって出題される問題は変わりますが、私の場合は、ver3.0の追加範囲から出題された問題は50問中5,6問程度だったと思います。

試験の合格基準は100点中64点ですので、仮に追加範囲の問題を全て落としたとしてもまだ余裕があります。

追加された範囲もそこまで難しい内容ではないので、ver2.0のテキストで学習を進め、別でver3.0の追加範囲についての資料を確認しておく程度で問題ないと思います。

まとめ

個人的な意見ですが、ver3.0が改訂されて間もなく、教材がない現状ですが、ver2.0の教材のみでも問題なく合格できます。

2023年8月まではver2.0で受験することが可能ですが、試験以外で必要のない知識を勉強するのはもったいないので、勇気をもってver3.0で受験されることをおすすめします。

前編記事

前編も併せてご覧ください。

blog.jbs.co.jp

執筆担当者プロフィール
坂井 颯斗

坂井 颯斗(日本ビジネスシステムズ株式会社)

中部HC部に所属。現在はIoTシステムの保守作業とPowerPlatformのQA対応を行っています。 最近クラフトビールにハマっています。HazyとベルジャンIPAがお気に入りです。

担当記事一覧