Microsoft Fabricでは、リソースの使用状況を「Capacity Unit(CU)」という単位で管理しています。CUは、コンピューティングやストレージなどのリソース消費量を総合的に表す指標であり、一定のCU消費量に達したタイミングでアラートを送信することが可能です。これにより、リソースの過剰使用を未然に防ぎ、コスト管理やパフォーマンス維持に役立てることができます。
本記事では、容量の CU 消費率が 80% に達した際にアラートを発報する方法を解説します。
Microsoft Fabricとは
Microsoft Fabric は、データの取り込み、準備、保存、分析、可視化といったデータライフサイクル全体をカバーする統合型のクラウドベースデータプラットフォームです。
データ統合、データウェアハウス、データサイエンス、リアルタイム分析、ビジネスインテリジェンスを一元的に提供し、Azure や Power BI とシームレスに連携できます。
前提条件
- Microsoft Fabric容量を利用していること(Fabric容量が作成済みであること)
- Fabric 管理者または容量管理者の権限を持っていること
- Microsoft Fabricにアクセスできること
- 通知を受け取るメールアドレスが有効であること
構成
- 通知対象: 容量の CU 消費率
- しきい値: 80%
- 通知方法: メール通知(容量管理者に通知)
- 設定場所: Microsoft Fabric 管理ポータル(容量設定)
手順
管理ポータルにアクセス
- Microsoft Fabric 管理ポータル にサインインします。

通知を設定する容量を選択
- [容量の設定]を選択し、Fabric容量タブをクリックします。Fabric容量の一覧から、対象の容量をクリックします。

通知ルールを追加
- 容量の詳細ページで [通知] タブを開きます。その後、「使用可能な容量の[80]%を使用しています。」にチェックします。
※使用率が100%に達した際に通知を送信したい場合は、「使用可能な容量を超過したため、パフォーマンスが低下する恐れがあります」にチェックを入れます - 通知の送信先を[容量管理者]とし、[適用] をクリックします。

最後に
CU 消費率の監視とアラート設定は、Microsoft Fabric Premium 容量を安定的に運用するための重要なステップです。
今回紹介した設定を行うことで、容量の使用率が 80% に達した時点で即座に通知を受け取り、リソース不足によるパフォーマンス低下やサービス停止を未然に防ぐことができます。
しきい値アラートの設定は、単なる「通知」ではなく、容量管理の最適化とビジネス継続性の確保に直結する重要な施策ですので、ぜひ今回の手順を参考に、組織の運用ポリシーに合わせた監視体制を構築してください。