本記事では、Windows(Cドライブ)の回復パーティションを一時的に削除してディスク容量を拡張する方法と、削除した回復パーティションを復旧する手順を記載します。
経緯
デプロイ済みのWindows仮想マシンに対してsysytemドライブ容量を追加後、OS目線でディスク拡張することで、Cドライブとして利用できる容量を増やすことができます。
ただ、「Cドライブの拡張」を試みる場合、Cドライブの後ろに「回復パーティション」が自動で作成されているため、「ボリュームの拡張」がクリックできません。
このような事象に遭遇した方は、以下手順をご参考ください。
環境
本記事は、Windows Server 2022で実施した内容を元にしています。
手順
まず始めに、実施前の状態を確認し、「回復パーティション」の容量を記録します。
1. 検索バーで「cmd」と検索し、コマンドプロンプトを「管理者として実行」で起動します。
2. 以下のコマンドを実行し、回復環境を無効化します。
reagentc /disable
3. 以下のコマンドを実行し、Diskpartを開始します。
Diskpart
4. 以下のようにコマンドを順に実行し、「回復パーティション」を選択します。
List Disk
Select Disk 0
List Partition
Select Partition 4
それぞれのコマンドの意味は下記の通りです。
- List Disk:ディスクを表示
- Select Disk:ディスクを選択
- List Partition:ディスク内のパーティションを表示
- Select Partition 4:回復パーティションを選択
5. 以下のコマンドを実行し、「回復パーティション」を削除します。コマンド実行後、回復パーティションが「未割り当て」に統合されます。
delete Partition override
6. 以下のようにコマンドを順に実行し、「Cドライブ」を最大まで拡張します。
List Volume
Select Volume 1
extend
それぞれのコマンドの意味は下記の通りです。
- List Volume::ボリュームを表示
- Select Volume 1:Cドライブを選択
- extend:最大容量まで拡張
7. 以下のようにコマンドを順に実行し、「回復パーティション」を復旧します。
shrink minimum=600
create Partition primary
format quick fs=ntfs label=Recovery
set id=de94bba4-06d1-4d40-a16a-bfd50179d6ac
gpt attributes=0x8000000000000001
それぞれのコマンドの意味は下記の通りです。
- shrink minimum=600
- Cドライブから600MB切り離して未割り当てにする
- 本手順は600MBとしているが、実際には[手順実施前にメモした回復パーティションの容量]+1MBを入力
- create Partition primary
- 未割当領域をパーティショニング
- format quick fs=ntfs label=Recovery
- ファイルシステム:ntfs、ラベル名:Recoveryとしてフォーマット
- set id=de94bba4-06d1-4d40-a16a-bfd50179d6ac
- 「回復パーティション」固有のIDを付与
- gpt attributes=0x8000000000000001
- 「回復パーティション」固有の属性を付与
8. Diskpartを終了します。
exit
9. 以下のようにコマンドを順に実行し、回復環境を有効化します。
reagentc /enable
reagentc /info
それぞれのコマンドの意味は下記の通りです。
- reagentc /enable:回復環境の有効化
- reagentc /info:回復環境の確認
以上で、ディスク拡張および回復パーティションの復旧が完了になります。
おわり
複数台の仮想マシンをテンプレートから展開していく際や、運用上の都合など、ディスク拡張が必要になる場面は様々あります。
ぜひ参考にしていただけると幸いです。