Azure Monitor による Logic Apps の正常性監視

Microsoft Sentinel でアラート発報時の対応を自動化するために、 Logic Apps を利用することがあります。

ただ、そのために作成した Logic Apps が、意図しない形で動作が失敗するケースが考えられます。これは、テスト等で Logic Apps の動作確認を行ったとしても、完全に防ぐことは出来ません。

そのため、Logic Apps を実装する際は何らかの方法で動作の監視を行い、動作が失敗した場合に管理者へ通知を行うなど、素早く気づけるように構成する必要があります。

本記事では、Azure Monitor を活用し、Logic Apps の動作が失敗した場合に、自動的に管理者へメール通知をする方法をご紹介します。

構成イメージ

今回は、 Azure Monitor を利用して Logic Apps の監視を行います。



※ Azure Monitor による監視を行う場合、事前に Logic Apps を作成しておく必要があります。

アラートルールの作成

Azure Monitor より、 Logic Apps を監視するためのアラートルールを作成します。

  1. Azure Portal にて「モニター」を検索し、選択します。
  2. 「アラート」を選択します。

  3. 「+作成」を選択し、「アラートルール」を選択します。

  4. 「リソースの選択」にて、監視対象の Logic Apps を選び「適用」を選択します。

  5. 「スコープ」タブに選択した Logic Apps が表示されたことを確認し「条件」を選択します。

  6. 「シグナル名」にて「Runs Failed」を選択します。

  7. アラートロジックの値を設定します。今回は「ルックバック期間」を「1分」と設定し、他は既定値のまま「アクション」を選択します。*1
    ※ 今回の設定では、Logic Apps の実行結果を1分間隔で確認し、失敗していた場合にアラートが発報されます。

  8. Select actionsにて「Use action groups」を選択します。

  9. 「アクショングループの選択」を選択します。
  10. 「+アクショングループの作成」を選択します。

  11. 「基本」タブにて必要な値を入力し、「通知」を選択します。

  12. 通知タイプにて「電子メール/SMS メッセージ/プッシュ/音声」を選択します。

  13. 「電子メール」にチェックを入れ、通知先のメールアドレスを入力し「OK」を選択します。

  14. 「名前」を入力し、「アクション」を選択します。
    ※通知先の名称を入れることで管理が容易になります。(どこの宛先が含まれているか、など)

  15. 「アクション」タブは既定値のまま、「タグ」を選択します。

  16. 「タグ」タブは既定値のまま、「確認と作成」を選択します。
    ※任意の値で設定してください。

  17. 設定した内容の確認を行い、問題なければ「作成」を選択します。

  18. アラートルールの作成画面に戻るので、「詳細」を選択します。

  19. 「詳細」タブにて任意の「重大度」「アラートルール」「説明」を入力し、「タグ」を選択します。

  20. 「タグ」タブは既定値のまま、「確認および作成」を選択します。
    ※任意の値で設定してください。

  21. 設定内容を確認し、問題なければ「作成」を選択します。

  22. モニターのトップページより、「アラートルール」を選択します。

  23. 作成したアラートが存在し、状態が「有効」になっていることを確認します。

動作の確認

作成したアラートルールが正常に動作することを確認します。

今回は、Logic Apps を失敗させるために、事前にアクションをフロー内に組み込んでおきます。

  1. アラートルール作成時に選択した Logic Apps を編集し、「Teriminate」のアクションを追加し、「Status」を「Failed」に設定します。
  2.  Logic Apps を実行し、失敗させます。

  3. アラートルールが発報され、管理者に以下のメールが送信されます。

※ 動作確認が終わったら、Logic Apps を再度編集し、「Teriminate」のアクションを削除しておきます。

最後に

今回は、Logic Apps の動作が失敗した場合に、自動的に管理者へメール通知をする方法をご紹介しました。

Logic Apps の動作を監視することで迅速に実行失敗に気づき、必要な対処を行うことが可能になります。

Logic Apps の監視を検討する際に本記事が少しでも参考になればと思います。

今後も Microsoft Sentinel に関する内容をご紹介させていただければと思います。今回はご一読いただきありがとうございました。

*1:他にも、詳細にアラート発報を行う条件を選択することが可能です。

執筆担当者プロフィール
森田 侑紀仁

森田 侑紀仁(日本ビジネスシステムズ株式会社)

2020年度新卒入社。 主にMicrosoft Sentinel、Microsoft Defender for Endpointの設計・構築に携わっております。 趣味はドライブ・野球観戦(主に千葉ロッテ)です。

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