【Microsoft×生成AI連載】久保田です。今回はCopilot Studioで自律型エージェントを実行する際のクレジット消費について検証結果も交えて説明します。
Copilot Studioエージェントに興味がある方、普段から利用されている方など様々な方に読んでいただきたい記事となっておりますので、ぜひご覧ください。
※この記事の情報は2026/3/4時点のものです。
これまでの連載
これまでの連載記事一覧はこちらの記事にまとめておりますので、過去の連載を確認されたい方はこちらの記載をご参照ください。
本検証の背景
これまでM365 Copilot ライセンスを保有しているユーザーであっても、トリガーを起点としてエージェントを実行した場合には、追加の請求(クレジット消費)が発生していました。
その理由として、トリガーからエージェントが起動するケースは、Copilot Studio における「自律型トリガーによるエージェント実行」に該当するためと考えられます。
※ 自律型トリガーとは、人が毎回操作しなくても、あらかじめ設定した条件(トリガー)をきっかけに、自動で判断・実行してくれるAIエージェントのことです。
一方で、Microsoft が公開している請求に関する公式ドキュメントを確認すると、請求料金の説明の中から、「自律型トリガー」に関する請求の記載が削除されていることが確認できます。
この点から、自律型トリガーによって実行されたエージェントの請求ルールが変更された、もしくは M365 Copilot ライセンス保有者に対する扱いが見直された可能性があると考えられます。
請求レートと管理 - Microsoft Copilot Studio | Microsoft Learn
そこで、トリガーからエージェントを実行した場合、Copilotクレジットの追加の請求が発生するかどうかを検証します。
検証の事前準備
今回の検証にあたり、以下を事前に準備しました。
- エージェントを作成するためのPower Platform環境(事前のクレジット割り当て・従量課金の設定は未設定)
- M365 Copilotライセンスと環境のEnvironment Makerロールが割り当てられているユーザー
検証
事前準備が完了していることを確認後、検証で利用するエージェントを作成します。
※ここではエージェントの作成方法については割愛するため、エージェント作成の詳細は以下の記事をご参照ください。
エージェントの作成と削除 - Microsoft Copilot Studio | Microsoft Learn
エージェントの作成
今回は、「ユーザーがMicrosoft Teamsのチャネルにメッセージを投稿するだけで、自動的にエージェントが起動し、あらかじめナレッジとして登録しているMicrosoft Learnの情報をもとに回答を返してくれる」というエージェントを作成します。

エージェントの実行
トリガーで指定したMicrosoft Teamsのチャネルにメッセージを投稿します。

エージェントの実行結果確認
実行したエージェントの実行履歴を確認します。Copilot Studioポータル(https://copilotstudio.microsoft.com)にアクセスし、「活動」タブ(以下画像の青枠)をクリックします。名前の欄が「自動」となっているため、自律型エージェントとして実行されていることが確認できます。
※対話型エージェントの場合は、名前の欄がエージェントを実行したユーザー名が表示されます。

クレジット消費の確認
M365 Copilotライセンスを保持しているユーザーが自律型エージェントを実行した場合、追加のCopilotクレジットの請求が発生しているか確認します。
まずは、Power Platform管理者権限を持っているユーザーでPower Platform管理センター(https://admin.powerplatform.microsoft.com)にログインします。左ペインの「ライセンス」⇒「Copilot Studio」⇒「環境」タブをクリックします。

エージェントが存在する環境を選択し、画面下部の「メッセージ消費の詳細」欄を確認します。「課金対象外Copilotクレジット」欄に数字があるので、実行した自律型エージェントでの追加請求は発生していないことが確認できます。
※必要に応じて、表示する日付範囲を変更してください。

利用シーン
自律型エージェントは、社内ナレッジを活用した一次対応エージェントとして活用することができます。
これまで手動で実行していた業務も、特定の場所への投稿やメール送信を行うだけでエージェントが自動的に起動し、迅速に処理を実行します。
その結果、ユーザーは待ち時間なく、必要な回答をすぐに受け取ることが可能になります。
メリット
M365 Copilot ライセンスを保有しているユーザーが自律型エージェントを実行しても、追加の課金が発生しなくなったことにより、主に次の2つのメリットが得られます。
- ユーザーのエージェント利用拡大につながる
- 非自律型エージェントのようにユーザーが能動的に起動する必要がなく、業務の中で自然に実行されるため、業務プロセスの一部として無理なく組み込めます。
- 結果としてエージェントの継続利用と定着につながります。
- 管理者のコスト予測・管理が容易になる
- M365 Copilotライセンスを前提にコストを把握できるため、予算計画が立てやすくなります。
- トリガーによる自動実行でも想定外のコスト増を心配する必要がなく、安心して自動化を推進できます。
注意点
今回、M365 Copilotライセンスに含まれるようになった機能は、トリガーを利用したエージェントの実行のみです。
例えば、Azure AI Servicesを明示的に利用する場合やMicrosoft Graph以外の外部APIを呼び出す場合はリソースの構築・維持等で別途追加課金が発生する、といったケースもあります。
想定外のコスト発生を避けるためにも、事前に利用する機能がライセンスの範囲内であるかを確認したうえでご利用ください。
まとめ
本記事では、M365 Copilot ライセンスを保有するユーザーが自律型エージェントを利用した場合でも、追加の請求が発生しないことを、検証結果を交えてご紹介しました。
これまでは、M365 Copilot ライセンスを保有していても自律型エージェントの利用により追加課金が発生していたため、管理者の立場でトリガーの利用を制限していたケースも少なくなかったのではないかと思います。
今回の変更により、追加コストを気にすることなく自律型エージェントを作成・利用できるようになり、活用できるエージェントの幅は大きく広がりました。
今後も、ライセンス内で利用可能な機能やその範囲については、変更がないか定期的に確認しながら、安心して活用できる形で情報を整理していきたいと考えています。
おまけ(Copilot Chatによる本記事の要約)
本記事では、Copilot Studioエージェントにおける自律型エージェント実行時のクレジット消費について、検証結果を交えて解説しました。従来は、M365 Copilotライセンスを保有しているユーザーであっても、自律型トリガーでエージェントを実行した場合には追加のCopilotクレジットが請求されていました。しかし、Microsoftの公式ドキュメント上から自律型トリガーに関する請求記載が削除されたことを受け、実際に検証を行った結果、M365 Copilotライセンスを持つユーザーが自律型エージェントを実行しても追加課金が発生しないことが確認できました。本変更により、トリガーを起点とした自動実行をコスト面で気にすることなく活用できるようになり、業務プロセスへのエージェント定着や利用拡大が期待できます。一方で、ライセンス範囲外の機能を利用した場合は追加課金が発生する可能性があるため、利用機能の事前確認が重要です。
久保田 有紀(日本ビジネスシステムズ株式会社)
CTS事業本部 D&AIPf部 AIS2グループ所属。AzureやMicrosoft 365周りの構築・運用を担当してきました。現在はCopilot、AIサービスの勉強をしています。
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