【Microsoft×生成AI連載】松本です。
今回は Microsoft 365 Copilot に搭載されているリサーチツールの新機能である「コンピューターの使用(Computer Use)」機能についてご紹介します。
※本記事の情報は 2025/12/22 時点のものです。
本記事では、Microsoft 365 Copilot を活用した情報収集や調査業務に関心のある方、リサーチツールを日常業務で活用されている方に向けて、「コンピューターの使用」の概要や特徴、活用シーンを整理して解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
- これまでの連載
- Microsoft 365 Copilot リサーチツールの概要
- 「コンピューターの使用(Computer Use)」とは
- 利用条件と提供状況
- UI 上での表示場所と役割
- 「コンピューターの使用」でできる主なこと
- セキュリティとデータの取り扱い
- 利用シーン
- メリットと注意点
- おわりに
- おまけ(生成AI による本記事の要約)
これまでの連載
これまでの連載記事一覧はこちらの記事にまとめておりますので、過去の連載を確認されたい方はこちらの記載をご参照ください。
Microsoft 365 Copilot リサーチツールの概要
Microsoft 365 Copilot には、情報収集や調査を支援するためのリサーチツールが用意されています。これは、ユーザーの質問意図を理解し、Web 上の公開情報をもとに調査・整理・要約を行う AI エージェントです。
これまでのリサーチツールでは、公開されている Web 情報の検索や複数ソースを横断した要点整理、背景情報や傾向の考察といった「読む・まとめる」作業を中心に支援してきました。
そのため、情報収集自体は効率化できる一方で、実際の業務では「調査のために人がブラウザを操作する工程」が残るケースも少なくありませんでした。
具体的には、ログインが必要なサイトの確認や条件指定が必要な検索画面の操作、一覧画面から詳細画面への遷移といった作業は、従来の リサーチツール では人が対応する必要がありました。
このような操作を補完するため、リサーチツールに搭載された拡張機能として登場したのが、次に紹介する「コンピューターの使用」機能です。
以下、Microsoft公式の記事についてもご参照ください。
Microsoft 365 Copilotでの研究者の概要 - Microsoft サポート
「コンピューターの使用(Computer Use)」とは
機能概要と目的
「コンピューターの使用」は、Microsoft 365 Copilot のリサーチツールに搭載された拡張機能です。この機能を有効にすると、リサーチツール はクラウド上の隔離された仮想 PC 環境を利用し、人が行っていた調査操作そのものを代行できるようになります。
具体的には、以下のような操作を Copilot が自律的に実行します。
- 実際の Web サイトへのアクセス
- ログイン操作を伴うページ遷移
- フォーム入力や条件指定
- 必要に応じた簡易的なデータ整理
これにより、「公開情報だけでは情報が足りない」「操作が多く、調査に時間がかかる」といったケースでも、調査結果をそのまま業務に活用できるレベルまで引き上げることが可能になります。
従来のリサーチツールとの違い
従来のリサーチツールは、情報を理解し、整理して返すことを得意としていました。
一方で、「コンピューターの使用」を有効にしたリサーチツールは、調べ方そのものを理解し、操作を実行したうえで、結果を取得・整理するという調査プロセス全体を担います。
そのため「コンピューターの使用」は、すべての調査で常に使う機能というよりも、ブラウザ操作が必要な調査において有効化することで効果を発揮する、強化モードのような位置付けの機能だと言えます。
利用条件と提供状況
「コンピューターの使用」機能は、 Microsoft 365 Copilot に含まれるリサーチツールの一部として提供されています。利用にあたっては、以下の前提条件があります。
- Microsoft 365 Copilot のライセンスを保有していること
- 組織管理者によってリサーチツール機能が有効化されていること
また、本記事執筆時点では、本機能はプレビュー(Frontier プログラム)段階での提供となっています。そのため、利用できるテナントやユーザーが限定される場合があるほか、UI や挙動、仕様が今後変更される可能性がある点には注意が必要です。
なお、「コンピューターの使用」は既定で常に有効になっている機能ではありません。リサーチツール起動時に、ユーザーが明示的にオンにした場合のみ動作します。
このように、利用条件や提供状況にはいくつか制約があるものの、「人手が必要だった調査を AI に任せられる」という点で、今後の正式展開が非常に期待される機能と言えるでしょう。
UI 上での表示場所と役割
Microsoft 365 Copilot でリサーチツールを起動すると、プロンプト入力欄付近に「コンピューターの使用」というボタンが表示されます。
このボタンは、リサーチツールにおけるオプション機能として提供されており、既定ではオフの状態になっています。

リサーチツールにおける位置付け
「コンピューターの使用」は、リサーチツールのすべての調査で自動的に使われる機能ではありません。あくまで、必要な場面でユーザーが明示的に有効化する機能です。
そのため、公開情報を中心とした簡易的な調査や要点整理、背景情報の把握といった用途では、通常モードのままでも十分に活用できます。
一方で、Web 操作やログインが必要な調査を行う場合には、「コンピューターの使用」をオンにすることで、調査能力を大きく拡張できます。
オン・オフの使い分け方
使い分けの判断基準はシンプルです。
ログインや条件指定などの操作が必要な調査の場合は「コンピューターの使用」をオンにし、公開情報の確認や要点整理が中心の調査の場合はオフのまま利用します。
このように使い分けることで、効率的にリサーチツールを活用できます。

「コンピューターの使用」でできる主なこと
「コンピューターの使用」を有効にすることで、リサーチツールは通常のリサーチツールでは原理的に難しかったアクションを実行できるようになります。
ログインが必要な情報へのアクセス
ユーザーの明示的な許可のもと、Copilot はログイン操作を伴う Web サイトにもアクセスできます。
たとえば、以下のような認証が必要なページの情報も調査対象に含めることが可能です。
- 会員制サイト
- サブスクリプション型メディア
- 業界団体やベンダーのポータルサイト
Web UI 操作を前提とした情報収集
多くの Web サイトでは、条件指定や画面遷移といった UI 操作が前提となっています。
「コンピューターの使用」を有効にすると、プルダウンやチェックボックスの操作、条件指定による検索、一覧画面から詳細画面への遷移といった作業を、Copilot が人の代わりに実行します。
調査プロセスの可視化
調査中は、「デスクトップビュー」と呼ばれる画面が表示され、Copilot がどのように調査を進めているかをリアルタイムで確認できます。
- どのサイトを
- どの順序で
- どのように操作したか
これらを把握できるため、調査結果の信頼性や再現性を確認しやすい点も、大きな特徴です。
なお、調査を開始すると以下のように仮想デスクトップ(デスクトップビュー)が起動し、Copilotが自動的にブラウザ操作を実施します。※画像はイメージです。

セキュリティとデータの取り扱い
「コンピューターの使用」による調査は、隔離された一時的な仮想環境(クラウド上の仮想 PC)内で実行されます。この環境では、
- ユーザーのローカル PC には一切アクセスしない
- セッション終了後、環境は自動的に破棄される
- ログインや重要操作の前には必ずユーザー確認が入る
といった仕組みにより、セキュリティとプライバシーが確保されています。
また、以下のように、資格情報入力時にはユーザーが操作を引継ぎ入力する必要があります。※画像はイメージです。

なお、「コンピューターの使用」モードでは、社内データ(メール、Teams、SharePoint など)は既定で参照されません。必要な場合のみ、ユーザーが「ソース」で明示的に許可する設計となっており、意図しないデータ参照が行われないよう配慮されています。
利用シーン
「コンピューターの使用」が最も効果を発揮するのは、情報そのものよりも、調査の手順や操作に手間がかかるケースです。単に情報を調べるだけであれば通常のリサーチツールでも十分対応できますが、実務では「人がブラウザを操作する前提」の調査が多く存在します。
例えば、以下のようなシーンで活用できます。
- ペイウォールやログインが必要な業界レポートの調査
- 会員登録やサブスクリプションが必要な有料メディアに対して、ログイン操作から情報取得、整理までを Copilot が代行します。
- 会員制サイトを横断した競合・製品調査
- 各ベンダーサイトへのログインや製品ページへの遷移、条件指定による絞り込みといった操作を自動化し、比較しやすい形で調査結果をまとめることができます。
- UI 操作が多い行政・統計サイトでの情報収集
- 複数の選択肢を指定しながら画面を遷移する必要があるサイトでも、人と同様に画面操作を行い、必要な情報を取得します。
- 調査結果の整理やプロセス共有が必要なケース
- 取得した情報の簡易整理に加え、「どのサイトをどの順序で操作したか」を確認できるため、調査プロセスの共有やレビューにも役立ちます。
このように「コンピューターの使用」は、「人が行っていた調査操作」をそのまま任せたい場面で、特に高い効果を発揮します。
メリットと注意点
「コンピューターの使用」を活用することで、これまで人手が前提だった調査作業を Copilot に任せられるようになります。
メリット
最大のメリットは、調査にかかる時間と工数を大幅に削減できる点です。
Web 操作やログインが必要な調査は、情報量そのものよりも「操作」に時間を取られがちですが、「コンピューターの使用」を利用することで、そうした作業を自動化できます。
加えて、業務面では以下の利点があります。
- 操作手順の属人化を防げる
- 調査プロセスを可視化できる
- 調査結果を再利用しやすくなる
特に、調査を繰り返し行う業務や、複数人で結果を共有する場面では、効果を実感しやすいでしょう。
注意点
一方で、「コンピューターの使用」は万能な機能ではありません。利用時には、以下の点に注意が必要です。
- ログイン情報や機密情報の取り扱い
- 取得した情報の正確性の確認
- プレビュー段階であることによる仕様変更の可能性
加えて、外部サービスの利用においては、各サービスの利用規約やアカウント要件を順守する必要があります。たとえば、個人ごとのアカウント利用が前提となっているサービスについては、アカウント共有を行わず、正規の権限・手順の範囲で利用してください。
また、すべての調査で常にオンにする必要はなく、簡易的なリサーチでは通常モードの方が効率的な場合もあります。調査内容に応じて、「コンピューターの使用」を使うべきかどうかを判断することが重要です。
おわりに
「コンピューターの使用」は、 Microsoft 365 Copilot のリサーチツールを 「情報を探すツール」から「調査作業を委任できる存在」へ進化させる機能です。
- 調査に操作が伴う
- 調査範囲が公開情報に収まらない
- 手順が多く、属人化しやすい
こうした場面こそが、「コンピューターの使用」の真価を発揮するポイントです。すべての調査で使う必要はありませんが、ブラウザ操作が必要な調査で試してみることで、調査業務の進め方が大きく変わるはずです。
今後の正式展開や機能拡張にも注目しつつ、ぜひリサーチツールとあわせて活用してみてください。
おまけ(生成AI による本記事の要約)
※以下の要約文および添付画像は、生成AIにより生成された内容です。
本記事では、Microsoft 365 Copilot のリサーチツールに追加された「コンピューターの使用(Computer Use)」機能について解説しました。この機能は、従来は人が行っていたブラウザ操作を Copilot が代行できる点が特徴で、ログインが必要なサイトの閲覧や条件指定を伴う検索、画面遷移を含む調査を一気通貫で実行できます。
「コンピューターの使用」は常に有効にする機能ではなく、ブラウザ操作が必要な調査シーンでオンにすることで効果を発揮します。ペイウォール付きの業界レポート調査や会員制サイトを横断した競合調査、UI 操作が多い行政・統計サイトの情報収集などで特に有効です。
本機能はプレビュー段階(2025/12/22 時点)であり、利用条件や仕様変更の可能性には注意が必要ですが、調査業務の工数削減と再現性向上の観点で、今後の展開が期待される機能と言えます。
松本 孝祐(日本ビジネスシステムズ株式会社)
Microsoft 365を中心に、Copilotの活用支援を担当。 合計4000人を超える受講者にCopilotを活用した業務効率化のコツを伝えています。 Copilotは使い方次第であなたの強力なパートナーになります、一緒にコパりましょう!
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