Azure DevOpsに実装されているBoardsの主な機能を連載形式で紹介しています。
今回は、スクラム開発におけるスプリントの振り返りイベント「レトロスペクティブ」の管理に最適な機能「Retrospectives」についてご紹介します。
Retrospectives概要
スクラム開発とは、計画→開発→レビュー→振り返りという4つのイベントを繰り返していくことによって開発を進める手法です。
この振り返りイベントはレトロスペクティブ(以下レトロ)と呼ばれており、今回の開発期間では何がうまくいって、何がうまくいかなかったかという振り返りをミーティングにて実施します。
今回ご紹介する機能は、そんなレトロにて有効なAzure DevOpsの機能です。Azure DevOps内のBoardsメニューの中にRetrospectivesが存在します。
今回はこの機能を使って、振り返り内容を可視化する方法をご紹介します。
作成方法
Boardsメニュー内のRetrospectivesをクリックすると、初期画面で下図のように表示されます。赤枠の「Create Board」をクリックすると初期設定画面に遷移します。
Board Settingsでは名前のみ必須設定となっているため、赤枠内に記入します。
※ レトロを開催するたびにボードの新規作成を行うので、名前は振り返りを行う期間のスプリント名にするとわかりやすいと思います。
※ ここでは他の項目はデフォルト設定で進めます。
Column Settingsでは下図のように、表示する表のテンプレートを選択することができます。赤枠にてテンプレート一覧を見ることができ、テンプレートの内容によって赤点線内の内容が変わります。適切なテンプレートを選択し、最後にSaveをクリックします。
※ ここではデフォルトのテンプレートを使用しますが、チームでの振り返りに適切なテンプレートを選択してください。
すると、下図のようにページ遷移し、ボードが作成されます。
活用方法
作成したボードに、チームメンバーがそれぞれ「うまくいったこと」「うまくいかなかったこと」を1項目ごとに登録します。赤枠のAdd new feedbackをクリックすると記入枠が出現し、記入ができます。
この通り、誰が記入したかが表示されないため、忌憚ないコメントも書きやすいのが利点だと思います。またコメントがカンバンボード状に表示されるため視認性もよいです。
Groupタブでは似たようなコメントをドラッグアンドドロップにて1つにまとめることができます。
Voteタブでは、コメントに対して投票することができます。活用することによって、ミーティング中にどのコメントが共感されているかを確認しやすくなります。
Actタブでは、振り返りの改善のためのタスクをAzure DevOps上に作成することができます。これによって、スプリント内でうまくいかなかったことを次回のスプリント内で改善することに繋げられます。
おわりに
Retrospectivesではチーム内で効率よく振り返りを進めることができるため、大変便利な機能だと思います。
スクラム開発だけでなく突発的な振り返りイベントでも使うことができるため、ぜひ活用してみてください。