2ノードの VxRail クラスタ環境の構築

本記事では、2ノードの VxRail クラスタ環境を構築するための基本的な手順とポイントを紹介します。

特に、2ノード構成では、3台以上の構成とは異なり vSAN Witness Appliance(以下、Witness)のデプロイと設定がある点に注意が必要です。

本環境の構成

PowerEdge R650 (以下、R650)1台をスタンドアロン構成とし、VMware ESXi(以下、ESXi)をインストールします。

その上に、DNS サーバー、VMware vCenter Server(以下、vCenter)、Witness の仮想マシンを構築します。

ネットワーク環境はレイヤ2スイッチで接続し、VxRail E560F(以下、VxRail)を2台で VxRail Manager をデプロイし、クラスタ環境を構築します。

構築前の準備

SolVe の手順書作成

はじめに SolVe の手順を作成します。
SolVe (dell.com)

※上記サイトへのアクセスおよび手順のダウンロードにはアカウントと権限が必要です。

特筆すべき点として、インストール手順の Step4 にて[インストールされているクラスターのタイプは?]の問いに対して、[2ノードクラスター]を選択します。

他の Step は、3台以上の構成の基本導入と同様に、環境に合わせて選択します。

ISO ファイルのダウンロード

VxRail の RASR リセット用の ISO ファイルをダウンロードします。
VxRail Softwareのサポート | ドライバーおよびダウンロード | Dell 日本

※こちらも、ダウンロードには専用のアカウントと権限が必要です。

また、ESXi とWitness、vCenter の ISO ファイルもダウンロードします。

なお、2024年5月5日より、ダウンロードサイトが myvmware から Broadcom Support Portal に切り替わりました。下図は、Broadcom Support PortalからWitness をダウンロードする画面です。

※ ESXi と Witness はアカウントを作成すればダウンロードが可能です。vCenter はダウンロード時に専用の SITE ID を別途アカウントに紐づける必要があります。

ネットワーク環境の構築

レイヤ2スイッチ を設定し各サーバーを接続し疎通する環境を構築します。

VLAN は Management Network と Internal Management Network、vSAN、vMotion の4つを作成し、Management Network と vSAN の VLAN にそれぞれ IP アドレスを設定しておきます。

VxRail v4.7 以降の場合は、Internal Management Network(VLAN3939)に下記設定を行います。

    # interface vlan 3939
    (conf-if-vl-3939)# ipv6 mld snooping querier

PowerEdge R650 の構築

スタンドアロンの R650 に ESXi をインストールします。手順は割愛します。

ポイントとして、vSwitch1 にポートグループの[vSAN Network]を作成します。このポートグループは Witness の監視で利用します。

DNS サーバーの構築

R650 上に DNS サーバーの仮想マシンを構築します。手順は割愛します。

こちらの DNS サーバーを用いて、R650 側の vCenter と VxRail を構築していきます。

名前解決の必要な情報は下記の通りです。

  • ESXi (R660)
  • vCenter (R650)
  • Witness 
  • ESXi #1 (VxRail) 
  • ESXi #2 (VxRail)
  • vCenter (VxRail)
  • VxRail Manager

vCenter の構築

R650 上に vCenter を構築します。手順は割愛します。

Witness の構築

R650 上に Witness を下記の手順でデプロイします。

  1. OVF テンプレートをローカルよりアップロードします。
  2. 仮想マシン名と配置先を指定します。
  3. ターゲットコンピューティングリソースとして R650 の ESXi ホストを選択します。
  4. ここまでの詳細設定を確認します。
  5. 使用許諾契約書に同意します。
  6. Witness のサイズを選択します。
  7. 仮想ディスクフォーマットにて[シックプロビジョニング(Lazy Zerod)]を選択します。
  8. 配置先のデータストアを選択します。
  9. ネットワークの選択にて、Management Network は[VM Network]、Secondary Network は[vSAN Network]を選択します。

  10. テンプレートのカスタマイズにて、パスワードや Management Network/Secondary Network の設定を行います。vSAN Traffic では、[Secondary]を選択します。
  11. 最後に設定を確認し、完了をクリックします。

構築完了後に、vCenter からホストとして追加します。

VxRail の構築

正常性確認

初期導入の場合は、iDRAC に IP を設定しログインします。

ログイン後、正常性確認や RASR リセット前のファームウェアのバージョンを確認します。また、BIOS 設定で UTC 時刻設定や TPM の無効化を行います。

RASR リセット

2ノード vSAN 構築時のポイントは特にないため、詳細は割愛します。

基本導入と同様の手順で RASR リセットを行います。RASR リセット後に、ファームウェアが上がっていることを確認します。

vmnicアサイン

2ノード vSAN 構築時のポイントは特にないため、詳細は割愛します。

基本導入と同様の手順で iDRAC の仮想コンソールより vmic のアサインを行います。vmnic アサイン後に、Vxrail Manager に IP アドレスを設定します。

Vxrail 初期デプロイ

2ノード vSAN 構築時のポイントとして以下4つのウィザードを紹介します。他の項目は基本導入と同様に環境に合わせて設定します。

クラスターのタイプ

ブラウザから Vxrail Manager にアクセスし、初期デプロイのウィザードに進みます。

[クラスターのタイプ]ウィザードにて、[ vSAN2 ノードクラスター(2台のホストのみ)]を選択します。

ストレージタイプは[標準 vSAN]を選択します。

リソース

[リソース]ウィザードにて、クラスターのホストに2台の VxRail が表示されていることを確認し、2台ともにチェックを入れます。

次に、監視ホスト(Witness)の IP アドレス、ユーザ名、パスワードを入力します。

グローバルの設定

[グローバルの設定]ウィザードにて、vSphere HA 分離アドレスでは[分離アドレス]を選択し、隔離アドレス(Switchに設定した vSAN 用の IP アドレス)を入力します。

監視ネットワークの設定

[監視ネットワークの設定]ウィザードにて、VxRail クラスターと監視ホストのネットワーク情報を記入します。下記に各項目を簡易的に説明します。

  • VxRail クラスターホスト1監視トラフィックのIPアドレス
    • VxRail 1号機の vSAN の IP アドレスと同じセグメントで別の監視用 IP アドレスを入力
  • VxRail クラスターホスト2監視トラフィックの IP アドレス
    • 上記と同様
  • VxRail クラスター監視トラフィックの VLAN ID
    • vSAN の VLAN を入力
  • VxRail クラスター監視トラフィックのサブネットマスク
    • vSAN のサブネットマスクを入力
  • VxRail クラスター監視トラフィックのゲートウェイ
    • ゲートウェイは空欄でも可
  • 監視ホスト監視トラフィックの IP アドレス
    • Witness の Secondary Network の IP アドレス
  • 監視ホスト監視トラフィックのサブネットマスク
    • Witness のサブネットマスク
  • 監視ホスト監視トラフィックのゲートウェイ
    • ゲートウェイは空欄でも可

監視ネットワークの設定後に、構成の検証、構成の導入を行います。

vCenter の設定

VxRail Manager デプロイ後に VxRail 上の vCenter にログインします。

2node vSAN 構成時の HA 推奨設定を行います。推奨設定は下記の通りですが、環境によって一部異なります。

障害および対応
  • vSphere HA:有効
  • ホスト監視の有効化:有効
  • ホストの障害応答:仮想マシンを再起動
  • ホスト隔離への対応:仮想マシンをパワーオフして再起動
  • PDL (永続的なデバイスの損失) 状態のデータストア:無効
  • APD 状態のデータストア:無効
  • 仮想マシンの監視:無効

アドミッション コントロール
  • クラスタで許容するホスト障害:1
  • ホストのフェイルオーバーキャパシティの定義基準::クラスタ リソースの割合 (%)
  • 計算されたフェイルオーバー キャパシティのオーバーライド:有効
  • 予約済みのフェイルオーバー CPU キャパシティ:50%
  • 予約済みのフェイルオーバー メモリ キャパシティ:50%

ハートビートのデータストア
  • ハートビート データベース選択ポリシー:指定したリストからのデータストアのみを使用する

vSAN 2 ノード クラスタ ガイド |ヴイエムウェア (vmware.com)

おわりに

本ブログでは、2ノードの VxRail クラスタ環境を構築するための基本的な手順とポイントを紹介しました。

特に、3台以上の VxRail 構成とは異なり、Witness の設定が必要となる2ノード構成の特有の難しさに焦点を当てました。

この記事が、皆様の VxRail 環境の構築の助けとなれば幸いです。

執筆担当者プロフィール
谷 誠人

谷 誠人(日本ビジネスシステムズ株式会社)

ハイブリッドクラウド本部でオンプレミス製品の導入を行っています。

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