PowerEdge サーバのリモート管理には iDRAC が欠かせません。
通常は iDRAC 専用の物理ポート(Dedicated NIC)を使うのが簡単で安全ですが、ラックのポート不足や配線の都合、コスト面を理由に LOM(LAN on Motherboard) ポートと共有するケースもあります。
本記事では、iDRAC を専用ポートではなく LOM ポート(Shared NIC)で共有する際の設計上の注意点、実際の設定手順を整理します。
対象読者とゴール
この記事の対象読者とゴール、想定環境は以下の通りです。
- 対象:PowerEdge のシステム管理者/構築エンジニア
- ゴール:iDRAC を LOM 共有で安全に構成すること
- 想定環境
- ハードウェア:PowerEdge R660
- 管理機能:iDRAC9 Enterprise
- 使用ポート:LOM3(OCP1), LOM4(OCP2)
Shared NIC 構成のメリットとデメリット
Shared NIC 構成のメリットとデメリットは以下の通りです。
- メリット:ポート節約、配線簡素化、コスト低減
- デメリット:帯域・可用性の共有、セキュリティリスクの増加、トラブル切り分けの難化
本環境の IP アドレスについて
本環境の iDRAC および OS にアクセスするための IP アドレスは以下の通りです。
| iDRAC | 例)192.168.10.100/24 | TagVLAN10 |
| OS | 例)192.168.20.100/24 | TagVLAN20 |
iDRAC を LOM と共有するための設定方法(GUI / racadm)
ここでは、iDRAC を LOM ポートと共有するために、GUI を使って設定する方法を紹介します。
- iDRAC Web GUI にログインします。
- [iDRAC 設定]>[接続性]>[ネットワーク]>[ネットワーク設定]を開きます。

- [NIC の選択]にて、LOM3-[NIC.Integrated.1-1-1]をドロップダウンより選択します。また、フェールオーバーネットワークにて、LOM4-[NIC.Integrated.1-2-1]を選択し、[適用]をクリックします。

- [iDRAC 設定]>[接続性]>[ネットワーク]>[IPv4設定]を開き、iDRAC に接続するための IP アドレス、ゲートウェイ、サブネットマスクを入力し、[適用]をクリックします。

以上で、Shared NIC の設定は終わりです。
動作確認
動作確認では以下2点を実施し、想定通り冗長構成が有効であることを確認しました。
- PowerEdge と作業端末を、LOM3/LOM4ポートに接続した LAN ケーブルおよびスイッチングハブ経由で接続し、いずれか片系抜き挿しを行った場合でも iDRAC へ継続してアクセス可能であること
- OS 側でLOM3/LOM4を使用した LAG 構成とし、上記同様にいずれか片系抜き差しを行った場合でも OS へ継続してアクセス可能であること
おわりに
iDRAC を LOM ポートで共有する Shared NIC 構成は、物理ポートの削減や配線の簡素化に有効な方法です。
一方で、管理通信と業務通信を同一ポートで扱うため、冗長化・VLAN 分離・障害時の運用を考慮した設計が重要です。
本記事が、PowerEdge 環境で iDRAC Shared NIC 構成を検討・導入する際の参考になれば幸いです。