Microsoft TeamsやExchange Onlineといったクラウドサービスの活用が広く定着し、それらを安全かつ効率的に運用するためのテナント移行の重要性が高まっています。
こうしたテナント移行をスムーズに実施するためのソリューションとして、AvePoint が提供する FLYは広く利用されています。
これまでの記事では、SaaS版FLYを使った移行に必要となるアプリプロファイル構築やテナント接続の準備、そして 移行対象・ポリシー・マッピングをまとめるプロジェクト設定を紹介してきました。
今回は、実際の移行処理をどのように進めていくかを具体的な操作画面とともに説明します。
マッピング設定
FLYにて移行処理を行うには、マッピングとよばれるどの移行元データを、どの移行先へ移すのかを対応付ける設定をする必要があります。
SaaS版FLYではこのマッピングを元にして、 「A さんの移行元メールボックス→Aさんの移行先メールボックスへ移行」といった作業を自動で実行します。
FLYでのマッピング設定について説明します。
1.下記URLからFLYにログインします。
https://fly.avepointonlineservices.com/
※ FLYの契約、または無料試用版が必要です
2.ログイン後、[プロジェクト]>[移行を実施するプロジェクト]を選択します。
※今回はEXchange Onlineのプロジェクトを選択します。

3.[マッピングの作成]>[マッピングの追加/インポート]を選択します。

4.[追加]を選択します。
※CSVファイルをインポートすることで複数のマッピングを登録することも可能です。

5.移行元,移行先のメールアドレスを入力します。

6.移行元,移行先のメールボックスタイプを選択します。
※今回はユーザーメールボックスを選択します。

7.[保存]を選択します。

8.マッピングが正しく追加されたことを確認します。

移行処理
設定したマッピングに基づいて移行処理を実行すると、移行元のデータを移行先へコピーすることができます。
SaaS版FLYで実行できる移行処理には、「完全移行」「増分移行」「エラーオブジェクトの再試行」の3種類があります。
完全移行(Full Migration)
完全移行とは、移行元に存在するすべてのデータを対象として移行を行う処理です。
移行ポリシーで指定したオブジェクトをすべて移行するため、処理時間が長くなりやすく、移行容量も大きくなる傾向があります。
初回移行は FLY の動作上この「完全移行」が必ず実行されます。
増分移行(Incremental Migration)
増分移行とは、前回の移行後に新しく追加・変更されたデータのみを対象として移行する処理です。
完全移行が一度完了した後、移行元で新たに発生したデータを移行したい場合に使用します。
大規模移行において、移行期間中の業務継続を目的に利用されることが多い方式です。
エラーオブジェクトの再試行(Retry Failed Objects)
エラーオブジェクトの再試行は、前回の移行処理でエラーが発生したオブジェクトだけを再度移行するための処理です。
何らかの理由でファイルやメールが移行に失敗した場合、その問題のあるオブジェクトのみをピンポイントで再実行できるため、再作業の効率化に役立ちます。
実際にFLYでの移行処理を実施するための手順を記載します。
1.[プロジェクト]>[移行処理を実施するプロジェクト]を選択します。
※今回はExchange Onlineのプロジェクトを選択します。

2.[移行を実施したいマッピング]>[移行]>[完全移行]を選択します。

3.[実行]を選択します。
※実際に移行するにはFLYのライセンスを購入する必要があります。

4.移行処理が実際に開始されたことを確認します。

まとめ
以上で、移行処理の手順は完了となります。
今回は、これまで設定してきたプロジェクトを実際に動かし、移行元データを移行先へ反映する移行処理そのものについて紹介しました。
ここまで進めていただくことで、FLYを利用した移行作業における一つの大きな目標地点に到達できたと言えるでしょう。
次回は、今回実施した移行処理の結果を踏まえ、実際に移行されたメールボックスがどのような状態になるのかを詳しく紹介する予定です。
ぜひ、今回の内容を引き続き有効活用していただければ幸いです。