AvePoint Cloud Governanceでチームやサイトのストレージ利用量を部門・会社単位で分析する方法

本記事は、AvePoint が提供する AvePoint Cloud Governance(以下、ACG)の管理者を対象とした内容です。

チームやサイトのストレージ利用量に応じて、所有部門や所有会社などの単位ごとにコスト負担を算出する際に役立つ、ACG のレポート活用方法を紹介します。

今回は、以前の記事で取り上げた「メタデータ活用」の応用編として解説します。

AvePoint Cloud Governanceでメタデータを利用した台帳管理を行う方法 - JBS Tech Blog

背景

SharePoint Online のストレージは1TB+ユーザー数×10GBが標準で付与され、不足分は 1GB単位で追加購入する課金体系です。

標準容量を超過して追加課金が発生する場合、そのコストを誰が負担するのかについては、組織の運用方針や体制によって考え方が異なり、検討が必要となるケースがあります。

ACGでは、ワークスペースレポートとメタデータを組み合わせることで、部門・会社別のストレージ利用量を算出し、コスト配賦の根拠となるデータを取得することができます。

なお、AvePoint Opusによる外部ストレージへの自動アーカイブ機能もストレージコストの削減策として有効ですが、本記事では内容範囲外としています。

メタデータで管理する理由

チームやサイトの所有部門・所有会社といった管理属性を正しく扱うためには、名称やIDといった可変要素に依存させず、メタデータとして独立管理することが不可欠です。

まず、チーム名は所有者が自由に変更できるため、組織名称を名前に含めたとしても、そのままコスト配賦や管理単位の識別子として利用することは適切ではありません。

名称変更が行われると識別基準が失われ、情報ガバナンス上も“固定的な識別子”としての有効性が低下します。

また、チームIDは不変であるものの、組織改編や部門再編といった“所有単位の変化”には対応できないという課題があります。

チームID自体は永続的な識別子ですが、IDと所属部門との関係は変動し得るため、部門異動や組織変更が発生した際に、IDから組織単位を正確に判定することはできません。

一方で、メタデータはACG内で完結して管理されるため、Microsoft 365テナント側の名称変更やユーザー操作の影響を受けません。部門・会社などの組織情報を、管理者がコントロールできる形で保持・更新できるため、組織変更にも柔軟に追随でき、ガバナンスの一貫性を保つことができます。

このように、可変要素であるチーム名や組織単位と乖離し得るチームIDに依存しないことが重要です。

メタデータを用いて管理属性を保持することが、正確で維持可能なガバナンス運用を実現する上で最も合理的な方法となります。

イメージ

管理者目線

ワークスペースレポート

ACGのワークスペースレポートでは以下のような出力を得ることが可能です。

以下の画像では、赤枠の部分がメタデータを利用している箇所になります。

このUIの内容を含む情報をCSVやXLSX形式で出力ができます。出力した内容は、ピボットテーブルやPower BIなどを利用して列名をキーに簡単に編集することが可能です。

管理画面

申請の設計画面です。赤枠部分がメタデータの設定項目になります。

イメージの例では、申請者に所有部門の入力を要求する構成としています。

申請者にヒアリングする必要がない場合は、非表示にする対応が可能です。

申請者目線

申請画面

申請画面の例は以下のとおりです。

イメージでは、申請者側でチームの所有部門を入力する構成としています。

赤枠の箇所がメタデータになります。例ではドロップダウンメニューにしていますが、ラジオボタンや複数選択用のチェックボックスに変更もできます。表示項目については自由にカスタマイズ可能となります。

申請者の所属部門などの付属情報から所有部門の値が決まる場合は、ヒアリングを省略し、申請画面には表示せず条件で値を定義することも可能です。

トラブルシュート

ワークスペースレポートにメタデータが表示されない

ワークスペースレポートにメタデータを表示するには、「このメタデータをワークスペースに追加します。」のオプションを有効にする必要があります。

オプションが表示されない

メタデータを配置する項目は決まっており、以下の画像のように所定の位置以外では、ワークスペースに追加するためのオプションは表示されません。

箱の形をしたアイコンはステップと呼称されます。チームにメタデータを付与したい場合は、チームの作成ステップ内で配置する必要があります。所定のステップ内であれば配置位置は自由です。

まとめ

本記事ではACGのメタデータを利用したレポート出力例を紹介しました。

条件を組み合わせて申請画面内では見せずにラベル付けをするなど、活用方法は他にもあります。

メタデータはACG内に閉じた項目のため、Microsoft 365テナント上の情報とは別に管理できることがメリットになります。分析手法の1つとしてご参考ください。

執筆担当者プロフィール
宮久保 良彦

宮久保 良彦(日本ビジネスシステムズ株式会社)

モダンワークプレイス部に所属。 Azureに関連する提案、設計、構築を担当しています。 自作PCのカスタマイズが趣味です。

担当記事一覧