【Microsoft×生成AI連載】GitHub Copilot Agent Skillsを試してみた

本記事は、2026年2月にVisual Studio Code(※以下VS Code) 1.109でGitHub Copilot Agent Skills(※以下Skills)が一般提供となり、安定版でも利用可能になったことを受けて、要点の整理と今後の活用に向けた備忘録としてまとめています。

これまでプレビュー機能として気になっていたものの、本格的に触る機会を作れていなかったため、既存の公式情報に基づき、Skillsの概念、最小構成での導入手順、運用上の注意点までを簡潔に整理します。

同様の文脈で検討されている方の参考になれば幸いです。

※本記事の記載は2026/02/06時点の公開情報に基づいています。

これまでの連載

これまでの連載記事一覧はこちらの記事にまとめておりますので、過去の連載を確認されたい方はこちらの記載をご参照ください。
blog.jbs.co.jp

Skillsとは何か

「プロジェクト固有の手順や判断基準を、AI に再利用可能な形で教えたい」そんな時に役立つのが今回取り上げるSkillsとなります。エージェントが必要なタイミングで自動的に読み込み、定義された手順に沿ってタスクを進めてくれるため、作業の再現性を高めることができます。

例えば、企業やチームで開発を行う際、メンバーそれぞれが独自のプロンプトでAIを利用していると、成果物の品質や手順にばらつきが生じがちです。Skillsを利用すれば、熟練者のノウハウやチームのルールを「コード化された手順書」として共有でき、誰が実行しても一定の品質を保てるようになります。

また、Skillsは単なるプロジェクト設定ファイルではなく、独立したディレクトリとして管理されるため、他のプロジェクトやチームへの横展開も容易です。「プロジェクト固有」の文脈を注入するだけでなく、組織全体の「資産」として育てていける点も大きな魅力です。

つまり、Skillsが必要とされる理由は、主に以下の3点に集約されます。

  • 反復作業を標準化できる(毎回同じ品質の手順)
  • プロジェクト固有の文脈を必要に応じて注入できる
  • チームで共有できる(レビュー可能な資産になる)

Skillsの起源と現在

もともとSkillsはAnthropicが開発した概念で、当初はClaudeでのみ使用可能でした。

しかし、2025年12月18日にオープンスタンダード化が発表され、各社がSkillsを利用できるようになりました。

これにより、GitHub Copilotでも以下の環境で利用可能になっています。

  • GitHub Copilot in VS Code(2026年2月より安定版で利用可能)
  • GitHub Copilot CLI
  • GitHub Copilot coding agent

code.visualstudio.com

「AGENTS.md」との違い

AGENTS.mdのような「リポジトリ全体の指示」と混同されがちですが、公式ドキュメントでは「常に適用する指示 = custom instructions」 と「必要時のみ使う詳細手順 = Skills」を分けて考えることが推奨されています。

ここではAGENTS.mdを「custom instructions に相当する全体ルール」と位置づけると整理しやすいです。

特徴 AGENTS.md(全体ルール) Skills(SKILL.md)
役割 プロジェクトの共通ルール 特定タスクの「道具」と「手順」
就業規則・マニュアル ツールベルト・専門器具
適用範囲 ほぼ常に参照される 関連すると判断された時のみロード

docs.github.com

準備

VS Codeでの設定

これまでVS CodeではInsiders版が前提でしたが、2026年2月4日のVS Code 1.109で一般提供となり、安定版でも利用可能になりました。

公式リリースノートではSkillsが既定で有効とされていますが、もし無効化されている場合は、設定「chat.useAgentSkills」を有効化してください。

code.visualstudio.com

code.visualstudio.com

Skillsの設定方法

最小構成は「ディレクトリ + SKILL.md」です。

公式にはSKILL.mdというファイル名が必須と明記されています。

  1. 「.github/skills/<skill-name>/`」を作成
  2. その中に「SKILL.md」を作成
  3. (任意)スクリプトやテンプレートを同ディレクトリに置く

<skill-name>は小文字・ハイフン区切りが推奨され「SKILL.md」のnameと一致させるのが基本です。

docs.github.com

検証

動作確認の簡単なテスト

最初の動作確認として、固定文言を返すだけの最小Skillを用意します。

これなら「Skillが読み込まれたか」「指示が反映されたか」を最短で確認できます。

構成としては以下のようになっています。

.github/
  └── skills/
      └── fixed-output/
          └── SKILL.md

SKILL.md の中身は以下の通りとなっております。

---
name: fixed-output
description: 動作確認用に、指定の固定文言をそのまま返すスキルです。テストや疎通確認時に使用します。
---

# Fixed Output Skill

このスキルは動作確認のための最小スキルです。以下の手順で必ず同じ文言を返してください。

1. ユーザーが「固定文言を返して」と指示したら、次の一文だけを返します。

SKILLS を利用できています!

今回のSkillでは、ユーザーが「固定文言を返して」と指示を送ることで利用される想定です。

出力結果としては想定通りの返信があり、問題なくSkillが利用できていることを確認できました。

今回利用したSkillのポイントとしては以下の通りです。

  • 固定文言のみを返すことで、Skillが正しくロードされたかを判定できます。
  • 反応しない場合は「description」の文言が曖昧ではないか、汎用的すぎないかを確認します。

レポート評価の標準化(評価基準の統一)

次は「documents/report.md」のようなレポートを一定の評価軸でレビューする検証です。

Skillで「評価観点」と「出力フォーマット」を標準化し、レビュー者による評価の統一を行います。

構成としては以下のようになっています。

.github/
  └── skills/
      └── report-reviewer/
          └── SKILL.md

documents/
  └── report.md

SKILL.md の中身は以下の通りとなっております。

---
name: report-reviewer
description: documents/report.md を読み取り、評価軸に沿ってレビューを標準化します。
---

# Report Reviewer Skill

評価軸(各 5 点満点):

- 目的の明確さ
- 根拠の妥当性
- 結論の一貫性
- 再現可能性/次アクション
- 構成の読みやすさ

出力:

- 各軸の点数と理由(1〜2 行)
- 総評(2〜4 行)

検証では二種類のダミーレポートを作成し、Skillを利用した評価を行いました。

評価結果に妥当性があるか、Skillで指定した基準に沿っているかを確認してみます。

レポート1

AI アシスタント S の売上の報告

なんか AI アシスタント S の 1 年分の売上のデータをもらったので見ました。
データはダミーらしいです。

データの内容
1 月は 120 万で、2 月は 135 万、3 月は 150 万、4 月は 145 万、5 月は 160 万、6 月は 175 万、7 月は 180 万、8 月は 170 万、9 月は 165 万、10 月は 190 万、11 月は 205 万、12 月は 220 万でした。
全部足すとたぶん 2000 万くらい行ってると思います。計算してないけど結構すごい額ですね。

思ったこと
最初は 120 万だったのに最後は 220 万になってて倍近くなっててやばいです。
12 月が一番売れてます。クリスマスとかあるからですかね?
あとボーナスとか出たからみんな買ったんだと思います。
夏はあんまり売れてないっぽいです。暑いからみんなやる気なかったのかもしれません。
あと、1 月は少なかったです。正月休みでみんな寝てたんだと思います。
全体的に右肩上がり的な感じでいい感じだと思いました。

まとめ
全体的に増えてる感じでいいと思います。
来年もこの調子で頑張ればもっと売れるはずです。
上司の人ももっと宣伝したほうがいいと思います。
とりあえず気合で売りましょう。

以上です。

一つ目のレポートは話し言葉や正確性の欠けたレポートとなっており、低い点数となる想定です。

以下がレポート1をSkillを利用して評価した結果となります。

レポート2

### 架空の製品「AI アシスタント S」の月次売上データ分析レポート

#### 1. はじめに

本レポートでは、架空の AI アシスタント製品「AI アシスタント S」の過去 12 ヶ月間の月次売上データを分析し、その傾向と特徴を明らかにすることを目的とします。データはダミーであり、実際の市場状況を反映するものではありませんが、典型的な製品ライフサイクルにおける売上変動のパターンを考察する上で有用な事例となります。

#### 2. ダミーデータ概要

分析に用いるデータは、以下の 12 ヶ月間の月次売上(単位: 万円)です。

- 1 月: 120
- 2 月: 135
- 3 月: 150
- 4 月: 145
- 5 月: 160
- 6 月: 175
- 7 月: 180
- 8 月: 170
- 9 月: 165
- 10 月: 190
- 11 月: 205
- 12 月: 220

#### 3. 分析結果

##### 3.1. 全体傾向

過去 12 ヶ月間の総売上は **1,975 万円** でした。月平均売上は計算すると約 **164.58 万円** となります。全体的には緩やかながらも着実に売上が増加している傾向が見られます。これは、製品が市場に浸透し、ユーザーベースが拡大していることを示唆している可能性があります。

##### 3.2. 売上推移の詳細

各月の売上データを詳細に見ると、以下の特徴が浮かび上がります。

- **最低売上**: 1 月の 120 万円。製品投入初期または季節要因が考えられます。
- **最高売上**: 12 月の 220 万円。年末商戦やプロモーションの効果が顕著に表れていると推測されます。
- **成長期**: 1 月から 6 月にかけては、比較的安定した増加傾向が見られます(120 万円 → 175 万円)。
- **夏期の微調整**: 7 月(180 万円)から 8 月(170 万円)、9 月(165 万円)にかけて、一時的に売上が横ばい、あるいは微減する時期があります。これは夏期の休暇シーズンや競合他社のキャンペーンなどが影響している可能性が考えられます。
- **再加速と年末のピーク**: 10 月以降は再び売上が大きく伸長し、10 月 190 万円、11 月 205 万円、そして 12 月には最高の 220 万円に達しています。これは、製品の成熟度が増し、年末の需要期にうまく対応できた結果と言えるでしょう。

#### 4. 考察と今後の示唆

AI アシスタント S は、初年度において堅調な成長を見せていると評価できます。特に年末商戦での強さは特筆すべき点であり、今後もこの時期に合わせたマーケティング戦略や機能強化が有効であると考えられます。

夏期の売上鈍化については、具体的な要因分析が必要です。この期間におけるユーザーの行動パターン変化や競合製品の動向を深く掘り下げることで、新たな施策の機会を見出すことができるでしょう。例えば、夏期限定の機能追加や、ターゲット層を広げるキャンペーンなどが考えられます。

また、月次の変動だけでなく、顧客獲得コスト(CAC)や顧客生涯価値(LTV)といった指標も合わせて分析することで、より多角的な視点から製品の健全性を評価し、持続的な成長戦略を策定することが可能となります。

今後も継続的なデータ分析を通じて、製品の成長を最大化する戦略を立案していくことが重要です。

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続いてのレポートは、正確な情報を記載しその情報をもとにした分析・考察・今後の展望をまとめています。

以下がレポート2をSkillを利用して評価した結果となります。

今回利用したSkillのポイントとしては以下の通りです。

  • 評価軸を固定することで、レビュー者の主観差を抑えられます。
  • 出力フォーマットを指定することで、比較や再レビューが容易になります。

利用シーンとメリット、注意点

利用シーン

  • リポジトリ固有の運用手順(リリースノート生成、PRルールチェック)
  • 定型的な調査タスク(Issue健康診断、依存関係の棚卸し)
  • 特定ドメインの判断支援(セキュリティ基準や社内規約の適用)

メリット

  • 手順の再現性向上、成果物品質の安定化
  • 人の知見の「レビュー可能な資産」としての蓄積
  • 必要時のみの読み込みによる、通常会話の軽量化

注意点

  • Skill乱立による「使用Skill」の判別困難化
  • Description曖昧化による未発火リスク

まとめ

Skillsは「手順を再利用可能な資産にする」ための仕組みです。

まずは最小構成の Skill から始めて、プロジェクト固有の作業を少しずつスキル化していくのが現実的です。

参考情報

おまけ(Copilot Chatによる本記事の要約)

本記事ここまでの執筆内容をCopilot Chatに転記し、記事内容の要約をしてもらいました。

本記事は、VS Code 1.109(2026年2月)で Agent Skills が一般提供されたことを受け、Skills の概要と実践的な使い方を整理した備忘録です。
Agent Skills は、プロジェクト固有の手順や判断基準を再利用可能な形で AI に教える仕組みで、作業の再現性向上や品質のばらつき防止を目的としています。
Skills は独立したディレクトリと SKILL.md で定義され、必要な場面でのみ読み込まれる点が特徴です。常時適用される全体ルール(AGENTS.md)とは役割が異なり、特定タスク向けの手順書・道具として使い分けます。
記事では、最小構成での導入手順、固定文言を返す簡易テスト、レポート評価を標準化する検証例を通じて、レビューのばらつきを抑える効果を示しています。
あわせて、活用シーン、メリット(品質安定・知見の資産化)、注意点(Skill乱立や description の重要性)も整理されています。
結論として、Skills は手順を組織的な資産に変える仕組みであり、まずは小さな Skill から段階的にスキル化していくことが現実的だとまとめています。

執筆担当者プロフィール
真栄城 魁人

真栄城 魁人(日本ビジネスシステムズ株式会社)

Azureを基盤とするSaaS運用、Webアプリケーション開発、技術研究などを担当。

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