Exchange 管理センターにおいて、新しいメッセージ追跡機能が一般提供されました。それに伴い、従来のメッセージ追跡機能は 2025 年 9 月 1 日に廃止されています。
この記事では、Exchange の新しいメッセージ追跡機能の概要や、廃止された機能とスケジュール、新しいPowerShell コマンドレットの紹介について記載します。
※本記事で案内している内容は、作成日時点でのものであり、マイクロソフトの方針や展開スケジュールにより変更される場合があります。
1. 新しいメッセージ追跡機能の概要
これまで Exchange 管理センターでは、従来型のメッセージ追跡機能を利用してメールの配送状況や遅延・失敗の調査を行ってきました。
今回、新しいメッセージ追跡機能が一般提供されたことにより、UI が刷新され、検索性能や操作性が大きく向上しています。一方で、従来のメッセージ追跡 UI や旧 PowerShell コマンドレットは、2025 年 9 月 1 日に廃止されました。
1-1. 変更の背景
新しいメッセージ追跡は、次のようなニーズに対応するために導入されました。
- 大量のメールログをより短時間で検索・分析したい
- トラブルシューティング時に、必要な情報へ素早くたどり着きたい
- 管理者が迷わず操作できる、モダンで分かりやすい UI を利用したい
- スクリプトや自動化の観点から、より扱いやすい PowerShell コマンドレットを使いたい
1-2. 廃止スケジュール
| 対象 | 詳細 | 廃止日 |
|---|---|---|
| Exchange 管理センターの従来のメッセージ追跡 UI | 従来のメッセージ追跡画面(旧 UI) | 2025 年 9 月 1 日 |
| 従来の PowerShell コマンドレット | Get-MessageTrace / Get-MessageTraceDetail | 2025 年 9 月 1 日 |
| レポート Web サービスにおけるメッセージ追跡のサポート | Reporting Web Service を利用したメッセージ追跡データ取得 | 2026 年 3 月 18 日 |
※Get-MessageTrace / Get-MessageTraceDetail は 廃止されており、実行しても処理は行われません。
※ Get-Command Get-MessageTrace のように確認すると情報が返るため、PowerShell 上ではコマンドレットが残っているように見える状態です。
2. 新しいメッセージ追跡 UI の変更点
新しいメッセージ追跡は、Exchange 管理センター上の UX が大きく変更され、見た目だけでなく操作性や性能も強化されています。
2-1. ユーザーインターフェースの刷新
新しいメッセージ追跡の ユーザーインターフェースは下記のようになっています。

新しいメッセージ追跡では、次のような点が改善されています。
- メインの検索条件やフィルターがわかりやすく配置
- 検索結果から詳細情報を確認しやすい構成
従来の UI に比べて、一画面で確認できる情報量が増え、メールの配送状況を俯瞰しながら詳細をドリルダウンしていく操作がしやすくなっています。
2-2. 詳細表示機能 / フィルター・検索条件
詳細表示機能の強化
各メッセージの配送経路やステータスの詳細が確認しやすくなります。

フィルター・検索条件の充実
送信元・宛先・件名・期間など、必要な条件で柔軟に絞り込みができ、トラブル発生時に目的のメールを素早く特定できます。

3. 新しいコマンドレットの利用例
GUI だけでなく、PowerShell によるメッセージ追跡も新しいコマンドレットへ移行しています。
新しいメッセージ追跡では、以下のコマンドレットが利用可能です。
Get-MessageTraceV2Get-MessageTraceDetailV2
従来の PowerShell コマンドレットは2025年9月1日に廃止されているため、ここでは新しいメッセージ追跡コマンドレット(Get-MessageTraceV2 / Get-MessageTraceDetailV2)の基本的な利用例を紹介します。
実際の運用に合わせて条件を調整してください。
なお、これらのコマンドレットを利用するには、ExchangeOnlineManagement モジュールを使用し、Exchange Online PowerShell に接続している必要があります。
3-1. 直近1日分のメッセージを確認する
直近1日に送受信されたメッセージを確認する例です。
# 直近1日に送受信されたメッセージ取得 Get-MessageTraceV2 ` -StartDate (Get-Date).AddDays(-1) ` -EndDate (Get-Date)
結果が多い場合は、表示項目や件数を絞り込むことで確認しやすくなります。
# 直近1日に送受信されたメッセージから上位20件を取得 Get-MessageTraceV2 ` -StartDate (Get-Date).AddDays(-1) ` -EndDate (Get-Date) | Select-Object -First 20 MessageId,SenderAddress,RecipientAddress,Status,Received
3-2. 特定ユーザーの送受信メールを確認する
特定のユーザーが送信したメールを確認する例です。
# 差出人を指定して直近1日分を確認 Get-MessageTraceV2 ` -SenderAddress "user@example.com" ` -StartDate (Get-Date).AddDays(-1) ` -EndDate (Get-Date) | Select-Object MessageId,SenderAddress,RecipientAddress,Status,Received
特定のユーザー宛てに届いたメールを確認したい場合は、RecipientAddress を指定します。
# 宛先を指定して直近1日分を確認 Get-MessageTraceV2 ` -RecipientAddress "user@example.com" ` -StartDate (Get-Date).AddDays(-1) ` -EndDate (Get-Date) | Select-Object MessageId,SenderAddress,RecipientAddress,Status,Received
3-3. 1通のメッセージの詳細を確認する
メッセージを1件特定したうえで、配送経路や詳細なステータスを確認する例です。
# 1件だけ取得 $message = Get-MessageTraceV2 ` -SenderAddress "user@example.com" ` -StartDate (Get-Date).AddDays(-1) ` -EndDate (Get-Date) | Select-Object -First 1 # 取得したメッセージの詳細を確認 Get-MessageTraceDetailV2 ` -MessageTraceId $message.MessageTraceId ` -RecipientAddress $message.RecipientAddress
このような基本パターンを押さえておくことで、従来の Get-MessageTrace / Get-MessageTraceDetail から新しいコマンドレットへの移行もスムーズに行えるようになります。
4. まとめ
本記事では以下の3点について案内しました。
- 古いメッセージ追跡の廃止
- 新しいメッセージ追跡の概要
- 新しいコマンドレットの利用例
これを機に「 メッセージ追跡の運用方法」や「メール監査・レポートの仕組み」、「PowerShell スクリプトや Reporting Web Service による自動化」といった領域を見直し、新しいメッセージ追跡 UI と Get-MessageTraceV2 / Get-MessageTraceDetailV2 を前提とした運用に統一する必要があります。
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原嶋 航大(日本ビジネスシステムズ株式会社)
テクニカルサポートセンターに所属。 Microsoft 365、特にOffice 365 E3ライセンスで提供されている製品を中心に日々勉強しています。
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