本記事では、Excel に新しく追加された 「COPILOT関数」 を紹介します。
Excelのセルから直接 Copilot を呼び出せるようになり、データ分類や感情分析などの手間のかかる作業も自然な言葉のみで実行できるようになりました。これまで複雑だった処理も、ひとつの関数でシンプルに完結します。
初めて利用する方でもイメージしやすいよう、基本操作と具体的な活用例を解説します。
これまでの連載
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機能概要
COPILOT関数とは
COPILOT関数は、セル内にそのままプロンプトを記述し、処理を実行できる新しい Excel の関数です。
これまで Copilot を利用する際は、右側のパネルで回答生成や数式提案を行う形が中心でしたが、COPILOT関数は Excel の数式として Copilot を直接組み込む点が大きく異なります。

これにより、次のような処理を Excel のセル内だけで実行できます。
- 条件に応じたカテゴリ分類
- 曖昧な住所表記の整理や表記ゆれの修正
- レビュー文章の感情分析
さらに、シートの再計算にあわせて Copilot が自動で再実行されることも特徴です。
※2025年12月現在、COPILOT関数はMicrosoft 365 Insider Program(ベータ チャネル)の Excel で提供されているベータ機能です。一般提供は今後順次予定されています。
COPILOT関数の構文
COPILOT関数は、以下の入力画面(GUI)で記述します。

- プロンプト部1
-
- Copilot に依頼したい内容を記述します
- コンテキスト1(任意)
- 参照させたいセルや範囲を指定します
必要に応じて、プロンプト部2 や コンテキスト2 など項目を追加し、複数の指示と参照データを組み合わせることもできます。
次に、数式で直接書く場合は以下のように記述します。
=COPILOT(prompt_part1, [context1], [prompt_part2], [context2], ...)
- prompt_part
- Copilotに依頼する指示文を記載します
- context(任意)
- 指示を実行する際に参照させたいセルや範囲を指定します
こちらも、prompt_part と context は複数組み合わせることができ、「この文章を対象に」「この表を参照しながら」といった形で、指示内容とデータをまとめて渡すことが可能です。
自然言語の依頼と Excel のデータを組み合わせた柔軟な処理を、一つの関数で実行できる点が特徴です。
実際にやってみた
ここからは、COPILOT関数を実際に使った具体的な活用例を紹介します。今回は、式を使った方法で例をご紹介しますが、関数の入力画面からの操作も可能です。
活用例1:レビュー文を★5段階で評価する
最初の例として、レビュー文の一覧から「★1〜★5」の評価を返すケースを紹介します。今回は、レストランのレビュー文を COPILOT関数でスコアリングしてみます。
まずは、Excel のシートにレビュー文を 20件ほど並べた一覧を準備しました。

続いて、C2セルに★評価を返すための COPILOT関数を入力します。レビュー文を読み取り、「★」「★★★」「★★★★★」のように評価するよう指示しています。
=COPILOT("次のレビュー文を読み、『★』『★★』『★★★』『★★★★』『★★★★★』で評価してください。", B2:B21)

関数を実行すると、レビュー文の内容に応じて Copilot が自動で★評価を生成します。ニュアンスまで含めて判定されるため、従来のキーワード検索では難しかった、より自然な評価が得られました。

活用例2:駅名から代表的な路線を自動生成する
次の例として、入力した駅名から、その駅を通る代表的な路線を一覧で返すケースを紹介します。
まず、A2セルに駅名を入力するシンプルなシートを用意しました。この駅名をもとに、主要な路線を別のセルに一覧表示してもらいます。

続いて、B列に路線名を出力するための COPILOT関数を入力します。今回のプロンプトでは、駅を通る代表的な路線を4つ挙げ、それぞれ1行ずつ返すように指示しています。
=COPILOT("次の駅を通る代表的な路線を4つ挙げ、縦にリスト表示してください。", A2)

関数を実行すると、入力した駅名をもとに、Copilot が主要な路線を一覧形式で返してくれます。例として A2 に「渋谷」と入力すると、JR山手線や東京メトロ銀座線などが表示されます。

さらに、A2 を「新宿」に変更すると、中央線や丸ノ内線などに切り替わり、路線リストも自動で更新されます。Excel の再計算にあわせて Copilot が処理を再実行してくれるため、参照している駅名が変わるたびに、常に最新の路線リストを取得できる点が大きな特徴です。

活用例3:フォーマットの異なる住所を整える
最後の例として、形式がばらばらな住所を自然な日本語表記に整えるケースを紹介します。
まず、A列に半角・全角の混在、余分なスペース、英語表記、都道府県名の抜けなどが含まれた住所データを並べたシートを用意しました。

続いて、B列に整形後の住所を出力するための COPILOT関数を入力します。今回のプロンプトでは、住所の表記ゆれを補正し、統一した住所表記として返すように指示しています。
=COPILOT("次の住所を自然な日本語表記に整えてください。半角・全角、余分なスペース、英語表記、都道府県名の欠落などを補正してください。", A2:A200)

関数を実行すると、それぞれの住所を読み取り、表記ゆれや余分な空白を自動で補正し、整った日本語表記の住所として返してくれます。

従来であれば、TRIM・SUBSTITUTE関数など複数の関数を組み合わせて処理する必要がありましたが、COPILOT関数なら 1つの指示文だけで住所を整形できるため、前処理の手間を大幅に削減できます。
利用シーンとメリット、注意点
利用シーン
COPILOT関数は、テキスト処理や分類作業を効率化したい場面で活用できます。
- 大量のレビューやアンケート結果を短時間で分類したいとき
- 表記ゆれやフォーマットの異なるデータを一括で整形したいとき
- 感情分析やカテゴリ分類など、従来は複雑な関数で対応していた作業を簡略化したいとき
メリット
COPILOT関数を活用することで、Excel 内だけで高度なテキスト処理を完結でき、作業効率が向上します。
- 複雑なテキスト処理を、1つの指示文でシンプルに実行できる
- 自然文を理解し、ニュアンスを含めた分類・要約・補正ができる
- Excel 内で完結するため、外部ツールを使わずにデータ処理を進められる
- 再計算のタイミングで結果が更新されるため、 最新データを常に反映できる
注意点
利用する際には、処理の特性や制限事項を理解したうえで使い分けることが重要です。
- 合計や平均などの数値計算は従来のExcel関数の方が安定しており、使い分けが必要
- Copilot の応答は変動するため、毎回必ず同じ結果になるとは限らない
- 大量データを一度に実行すると処理が止まってしまう
- 10分あたり最大100回までの実行上限あり
まとめ
本記事では、Excel に新しく追加された COPILOT関数の概要と、具体的な活用例をご紹介しました。
従来は複雑な関数の組み合わせや外部ツールを必要としていたテキスト処理も、ひとつの指示文でシンプルに実行できる点が大きな魅力です。
Excel 上で完結した処理を進めたい方にとって、日々の業務効率化に役立つ内容となれば幸いです。
おまけ(Copilot Chatによる本記事の要約)
本記事ここまでの執筆内容をCopilot Chatに転記し、記事内容の要約をしてもらいました。
【要約:Microsoft Copilot StudioエージェントをTeamsアプリストアに公開する方法】
概要
COPILOT関数は、自然文の指示をそのまま Excel の数式として実行できる新機能です。
複雑なテキスト処理も 1 つの関数で完結し、結果がそのままセルに返ってきます。活用例
- レビュー文を読み取り、★1〜★5 の評価を自動生成
- 駅名から主要な路線リストを縦方向に生成
- フォーマットの異なる住所を自然な日本語表記に補正
メリット
- 指示文だけで処理を実行し、結果が直接セルに返る
- 文脈を理解した分類・要約・補正が可能
- Excel 内で作業が完結し、外部ツールが不要
注意点
- 数値計算は従来のExcel関数を併用した方が安定
- Copilot の応答は変動し、毎回同じ結果になるとは限らない
- 大量データを一度に実行すると処理が遅くなったり、10分あたり最大 100回の上限に達する場合がある
杉村 周哉(日本ビジネスシステムズ株式会社)
CTS事業本部 AIソリューション2グループ所属。Copilot、Azure OpenAIなどAI関連について勉強しています。趣味は読書、サウナです。
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