Azure で Oracle Database を利用する(FOR と @ のはなし)

Azureで Oracle Database を利用する方法として最初に思いつくのは、Windows または Linux で仮想マシンを作成して Oracle Database をインストールし、データベースを構築することです。

この方法はオンプレミスと同様に利用できますが、運用に手間がかかります。

今回は、 Azure からアクセスできる、マネージドで提供される Oracle Database サービスについて紹介します。

※ 本記事は2025年6月執筆時点の情報に基づいています。

Azure のマネージド Oracle Database サービス

Azure で提供されるマネージドの Oracle Database サービスには「Oracle Database Service for Azure」と「Oracle Database @ Azure」があります。似たような名前ですがどのような違いがあるのでしょうか。

直訳すると「Oracle Database Service for Azure」は「Azure のための Oracleデータベースサービス」、「Oracle Database @ Azure」は「Azure上のOracleデータベース」となります。

2つのサービスについて構成や違いをまとめました。

Oracle Database Service for Azure (ODSA)

ODSA は、 AzureとOracle Cloud Infrastructure (OCI) のアカウントを紐づけて、AzureからOCI上に作成されたデータベースにアクセスするサービスです。

Azure と OCI の間は専用線で結ばれており、インターネットを経由することなく、低遅延でOracle Databaseにアクセスできます。

ODSAでは、Azureポータルとよく似た専用のポータルでデータベースの作成、管理ができます。利用できるデータベースはAutonomousDatabase、BaseDatabase 、ExadataDatabaseDedicated、MySQLHeatWaveとなります。

ODSAホーム

OCI側から見た場合「MulticloudLink_Azure_YYYYMMDDhhmiss」のような名前でコンパートメントが作成され、このコンパートメント内にデータベースが作成されます。

ODSAコンパートメント

Oracle Database@Azure(@Azure)

@Azure は、 Azureデータセンター内に設置された Exadataを通じて、OCIと同じOracleデータベースサービスを利用できます。

Azure内でOracleサブスクリプションを購入し、Oracleアカウントと連携することで利用できます。

@Azure では、AutonomousDatabase、ExadataDatabaseDedicated、ExadataDatabase on Exascaleを利用できます。

なお、@Azure のデータサービスはOCI側からも操作できます。

各サービスの違い

各サービスの違いを一覧でまとめました。

  Oracle Database Service for Azure (ODSA) Oracle Database@Azure(@Azure)
データベースの設置場所 OCIデータセンター Azureデータセンター
接続方式 専用線接続(OCI interconnect for azure) ローカル接続
稼動基盤 exadata,仮想マシン exadata
Base Database Service ×
Autonomous Database
ExadataDatabaseDedicated
ExadataDatabase on Exascale ×
MySQLHeatWave ×
請求 OCI Azure

AutonomousDatabase、ExadataDatabaseDedicated は ODSA、@Azureどちらでも使えますが、同一データセンター内で稼働する@Azureのほうが遅延が小さくなる分、有利かと思われます。

一方、Base Database Service、MySQL HeatWaveはODSAのみのサービスなので、この2つを利用する場合は ODSAの活用も視野に入ってくるかと思います。

やっぱり IaaS を使いたい

ここまでマネージドのサービスを紹介しましたが、仮想マシンを作成した上でOracleをインストールし、データベースを利用する事もあります。

例えば、以下のようなケースが考えられます。

  • アプリとデータベースを同一サーバー上で動かしたい。
  • データベースを独自の管理ツールで監視している。
  • アプリの要件でデータベースのバージョンが指定されている。
  • Windowsサーバー上で動かしたい。

おわりに

Azureで利用できる Oracleデータベースのマネージドサービスを紹介しました。

システムの要件とサービスの内容を見極めつつ、便利なマネージドサービスを利用していきたいです。

執筆担当者プロフィール
三条 光暢

三条 光暢(日本ビジネスシステムズ株式会社)

Oracle、PostgreSQLを中心に各種データベースの設計・構築・運用を携わっています。

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