【Microsoft×生成AI連載】【Agents】Microsoft 365 Copilotのアナリスト エージェントを使ってみた

【Microsoft×生成AI連載】寺澤です。今回はMicrosoft 365 Copilotのアナリスト エージェントについて記載します。

※ この記事の情報は2025/6/25時点のものです。今後機能、ライセンス、利用料金等が変更される可能性があります。

これまでの連載

これまでの連載記事一覧はこちらの記事にまとめておりますので、過去の連載を確認されたい方はこちらの記事をご参照ください。

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アナリスト エージェントの紹介

Microsoft 365 Copilotのアナリスト エージェントは高度なデータ分析ツールです。OpenAIのo3-miniモデルをベースにした高度な推論モデルを使用しています。

Pythonを実行して複雑なデータクエリに取り組むことができ、ユーザーは実行しているコードをリアルタイムで表示し、その作業を確認できます。

参照:Analyst agent in Microsoft 365 Copilot | Microsoft Community Hub

Researcher Agentの使用

エージェントの場所

Copilot ライセンスを持つユーザーであれば、アナリスト エージェントはデフォルトで Microsoft 365 チャットのエージェント リストの上部に表示されます。

Teams上ではCopilot > エージェント > アナリストから利用可能です。

表示されない場合、管理者がアナリスト エージェントを使用できない設定にしている可能性があります。

エージェントの実行

今回は、Microsoft Copilot Studioのエージェントの従量課金状況のファイルを用いて、傾向などを分析してみます。

今回のファイルは2つのシートを含むものを使用します。

左:環境ごとのエージェントのコスト(日ごと)、右:特定の環境のエージェントのコスト(日ごと)

上記のファイルをアナリスト エージェントへのチャットに追加して指示を送信します。

下記の回答を返してくれました。

内容を確認すると、グラフや表を用いて視覚的にも分かりやすくまとめてくれています。

インプットに使用したExcelの各項目の内容もしっかりと認識しており、どの環境のエージェントが多く使用されているか、どの時期に使用されているか なども記載されています。

また、返答を作成する際に使用したPythonコードも表示されるため、どのように分析しているかも確認することが可能です。

次に「どのエージェントが多く使用されているか」を続けて聞いてみます。

回答を表でまとめてくれました。大量のデータがある場合も、指示を適切にすることで簡単にまとめることができそうです。

最後に今後の利用状況を推測してもらいます。

今回用意したデータが短期間のもの、かつ不規則に利用状況が変化しているものでしたが、それらのデータを用いて傾向を分析し推測していました。さらに多くの期間のデータを使用すると精度が上がりそうな気がします。

利用シーンとメリット、注意点

利用シーン

アナリスト エージェントは、大量のデータの分析や整理に使用することができます。傾向やデータ間の関係性、考察などをインプットしたデータを基に作成してくれます。

表や図でまとめてくれるため、関係者に説明する際も資料を作成する時間を削減することができます。

利用例です。

  • 自社製品の強みを売り上げから分析する
    • データとして自社製品の売り上げを、製品名・金額・時期・顧客名などで管理している場合、時期的な売り上げの傾向・どのお客様にどのような製品が購入されているか等、今後の戦略につながる分析が可能です。
  • 報告書の作成
    • 売り上げ結果や勉強会のアンケート結果 などデータをまとめることが可能です。
    • グラフや表を作成してくれるため、視覚的に分かりやすい資料を作成する必要がある場合は、素早くまとめることができます。

メリット

Researcher Agentは業務の「効率化」にメリットがあります。

利用シーンに記載した通り、表やグラフの作成、傾向の分析など時間がかかる作業を自動化できます。Pythonの実行内容も確認できるため、どのように傾向を分析したかも確認することができます。

注意点

精度の高い分析をしてくれますが、最終的には人の目で事実確認を行う必要があります。

また実行回数の制限としてリサーチ ツールとアナリストの合計回数が月に25回までという制限があります。そのため、使用する際は計画的に使用する必要があります。

まとめ

アナリスト エージェントは、大量のデータの分析や傾向の把握、データの視覚化で時間を大幅に削減してくれると感じました。

おまけ(BizChatによる本記事の要約)

アナリスト エージェントとは
高度なデータ分析ツールであり、OpenAIの「o3-miniモデル」に基づいた推論エンジンを搭載。
Pythonコードを実行して複雑なデータクエリに対応可能。ユーザーはリアルタイムでコードの内容を確認できる。
Microsoft 365 Copilotライセンスを持つユーザーは、Teamsの「Copilot > エージェント > アナリスト」から利用可能。
表示されない場合は、管理者による制限設定の可能性あり。
実際の利用例
Microsoft Copilot Studioの従量課金状況ファイル(2シート構成)を用いて、環境ごとのエージェントコストの傾向を分析。
アナリスト エージェントにファイルをチャットで送信すると、グラフや表を用いて視覚的にわかりやすくまとめてくれる。
使用されたPythonコードも表示され、分析プロセスの透明性が高い。
「どのエージェントが多く使用されているか」といった追加質問にも、表形式で明確に回答。
短期間かつ不規則なデータでも傾向を分析し、将来の利用状況を推測可能。
利用シーンとメリット
利用シーン
大量データの分析・整理
傾向や関係性の把握
資料作成の効率化(表・図の自動生成)
利用例
製品売上データから強みを分析し、戦略立案に活用
アンケート結果や売上報告書の作成支援
メリット
業務の効率化(時間のかかる作業の自動化)
Pythonコードの表示により分析過程の確認が可能
注意点
精度の高い分析が可能だが、最終的な確認は人の目で行う必要がある。
利用回数制限あり:Researcher Agentとアナリスト エージェントの合計で月25回まで。
まとめ
アナリスト エージェントは、データ分析・傾向把握・視覚化を通じて、業務時間の大幅な削減を実現する強力なツールです。特に、資料作成や戦略立案において、迅速かつ正確なインサイトを得るために有効です。

執筆担当者プロフィール
寺澤 滉

寺澤 滉(日本ビジネスシステムズ株式会社)

Csol本部 DAPf部所属。AI関連(Azure OpenAIやCopilot Studioなど)を勉強中です。

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