カスタムドメインをAzure Communication Servicesに連携する方法(1)

過去の記事では、無料で利用できるAzure マネージドドメインを使ったメール送信のプロセスを詳しくご紹介しました。

今回は、カスタムドメインを追加してメールを送信する方法についてご紹介します。

事前準備

事前にAzure Communication Servicesからメールを送信するためのリソースを作成します。

※ 本記事では概要やリソースの作成方法は割愛します。必要に応じて過去の記事をご参照ください。

App Service ドメインの作成

今回はApp Serviceドメインから取得します。以下の手順に従って、ドメインを作成します。

1. Azureポータルで[App Serviceドメイン]を検索し、[App Serviceドメイン]を選択します。

2. [App Serviceドメインの作成]をクリックします。

3. [App Serviceドメインの作成]画面が表示されます。サブスクリプションやリソースグループ、ドメインを入力したら[次:連絡先情報]をクリックします。

4.以下の赤枠内の情報を入力し、[確認および作成]をクリックします。

※名前や住所等は英語表記となります。

リソースの確認

1. App Serviceドメインのデプロイが完了したら、[App Serviceドメイン]と[DNSゾーン]が追加されていることを確認します。

カスタムドメインのセットアップ

カスタムドメインをプロビジョニングする前に、カスタムドメインの所有権を確認します。

カスタムドメインの追加

1. [Email Communication Service]をクリックします。

2. Email Communication Serviceの[Overview]から[SetUp]をクリックします。

3. [Add a custom domain]画面が表示されたら赤枠内に対象のドメインを入力し、[Confirm]をクリックします。

4. ドメインを入力したら[Add]をクリックします。

5. [Verify Domain]をクリックし、TXTレコード内容を確認します。

6. TXTレコードの内容を確認したら、[TXT Value]の内容をコピーし、[Next]をクリックします。

7. 確認が終わったら[Done]をクリックします。

8. [Close]をクリックし、画面を閉じます。

リソースの確認

1. カスタムドメインの追加が完了したら、新しく[Email Communication Services Domain]が作成されていることを確認します。

DNSレコードの追加

DNSレコードの追加は、カスタムドメインを正しく設定するための重要な手順です。これにより、ドメインがメール送信に使用できるようになります。

DNSレコードの追加方法

DNS レコードを管理するプロバイダー (Azure DNS ゾーン等) に追加します。

1. リソースの一覧から[DNSゾーン]をクリックします。

2. [レコードセットの追加]をクリックします。

3. レコードセット一覧から[追加]をクリックします。

4. レコードセットの追加画面が表示されたら種類を[TXT-Text records]に設定をし、値を[カスタムドメインの追加の項番-6でコピーしたTXT Value]の内容を入力したら[追加]をクリックします。

5. レコードセット一覧に追加されていることを確認します。

6. [Email Communication Services]から[Provison domains]をクリックし、Domain statusが[Configure]になっていることを確認します。

7. [Configure]をクリックしたら、[Verify domain via TXT record]画面が表示されるので、[Next]をクリックします。

8. [Review]画面が表示されたら[Done]をクリックします。

9. [Close]をクリックしたら、Domain statusが[Verifed]にステータスが変わっていることを確認します。

※15-20分待つと表示されていますが、すぐにステータスが変わります。

10. DNSレコードの追加方法の項番-4に戻り、レコードセット一覧から当該TXTレコードを削除します。

SPF 用の TXT レコードの追加

SPF(Sender Policy Framework)レコードは、メールの送信元を認証するための重要なセキュリティプロトコルです。

SPF用のTXTレコードは以下の情報を登録する必要があります。

Record Type Name Value
SPF TXT <custom-domain> v=spf1 include:spf.protection.outlook.com -all

1. リソースの一覧から[DNSゾーン]をクリックします。

2. [レコードセットの追加]をクリックします。

3. レコードセット一覧から[追加]をクリックします。

4. レコードセットの追加画面が表示されたら種類を[TXT-Text records]に設定をし、値を[v=spf1 include:spf.protection.outlook.com -all]に設定し、入力が終わったら[追加]をクリックします。

5. レコードセット一覧に追加されていることを確認します。

6. [Email Communication Services]から[Provison domains]をクリックし、SPF statusが[Configure]になっていることを確認します。

7. [Configure]をクリックしたら、[Authenticate your domain via SPF and DKIM
]画面が表示されるので、[Next]をクリックします。

8. [Review]画面が表示されたら[Done]をクリックします。

9. [Close]をクリックしたら、SPF statusが[Verifed]にステータスが変わっていることを確認します。

※15-20分待つと表示されていますが、すぐにステータスが変わります。

DKIM/DKIM2 用の CNAME レコード追加

DKIM(DomainKeys Identified Mail)およびDKIM2用のCNAMEレコードを追加し、メールのセキュリティと信頼性を向上させます。

DKIM/DKIM2 用の CNAMEは以下の情報を登録する必要があります。

Record Type Name Value
DKIM CNAME selector1-azurecomm-prod-net._domainkey.<custom-domain> selector1-azurecomm-prod-net._domainkey.azurecomm.net
DKIM2 CNAME selector2-azurecomm-prod-net._domainkey.<custom-domain> selector2-azurecomm-prod-net._domainkey.azurecomm.net

1. リソースの一覧から[DNSゾーン]をクリックします。

2. [レコードセットの追加]をクリックします。

3. レコードセット一覧から[追加]をクリックします。

4. レコードセットの追加画面が表示されたら種類を[CNAME - サブドメインを別レコードにリンクします]に設定をします。名前を[selector1-azurecomm-prod-net._domainkey]とし、エイリアスを[sselector1-azurecomm-prod-net._domainkey.azurecomm.net]に設定します。入力が終わったら[追加]をクリックします。

5. レコードセット一覧に追加されていることを確認します。

6. DKIM2用のCNAMEレコード追加は同様の手順を繰り返します。

7. [Email Communication Services]から[Provison domains]をクリックし、DKIM/DKIM2 statusが[Configure]になっていることを確認します。

7. [Configure]をクリックしたら、[Authenticate your domain via SPF and DKIM
]画面が表示されるので、[Next]をクリックします。

8. [Review]画面が表示されたら[Done]をクリックします。

9. [Close]をクリックしたら、DKIM/DKIM2 statusが[Verifed]にステータスが変わっていることを確認します。

終わりに

今回はAzure Communication Servicesを利用してカスタムドメインを追加をするプロセスを紹介しました。

次回はAzure Communication Servicesとカスタムドメインを利用したメール送信方法をご紹介します。

執筆担当者プロフィール
石黒 允規

石黒 允規(日本ビジネスシステムズ株式会社)

ネットワークインテグレーション部に所属しており、主にAzureに関する業務を行っています。 JBS野球部にも所属しており、週末を楽しく過ごしております

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