Intuneのリモート操作「紛失モード」を使ってみる

Intuneで管理しているデバイスに対して、管理センターからリモートで端末の操作を行うことができます。再起動やパスワードのリセットのほか、端末を工場出荷状態へワイプすることも可能です。

これらのリモート操作のうちの一つである「紛失モード」の設定方法と、紛失モードを設定された時の端末側の動作を以下の記事で検証しました。

※ 紛失モードの基本操作については以下をご覧ください。

Microsoft Intune を使った iOS および iPadOS 紛失モードの有効化 | Microsoft Learn

前提

この紛失モードはiOS/iPadOSのみに適用できます。Windows端末等には適用できません。

また、この紛失モードを利用するには、iOS/iPadOSを監視モードで利用している必要があります。

監視モードについては以下Microsoftの公開情報を参照してください。

Microsoft Intune で iOS/iPadOS の監視モードを有効にする | Microsoft Learn

紛失モードの有効化(管理者側の操作)

紛失モードを有効にするには、管理者で以下手順を実施します。

Intune管理センターへアクセスし、[デバイス]>[iOS/iPadOS]をクリックして、iOS/iPadOSのデバイス一覧を表示します。

デバイス一覧から紛失モードを設定するデバイスを選択し、デバイスの詳細画面にて画面右端の[…]をクリックして[紛失モード(監視モードのみ)]をクリックします。

以下の画面で紛失モードを有効化します。設定する項目は以下の通りです。

  • 紛失モード(監視モードのみ):有効にする
  • ロック画面に表示するメッセージ:任意のテキストを指定します
  • 表示する電話番号:任意の電話番号を指定します

メッセージと電話番号は、紛失したデバイスを拾得した人に伝わるような内容とすると良いでしょう。

設定が完了したら画面下部の[OK]をクリックして、紛失モードを有効にします。

”紛失モード(監視モードのみ)が開始されました”というメッセージが表示されます。

[デバイスのアクション状態]の欄にも、紛失モードが有効になった履歴が実施日時とともに残ります。

なお、紛失モードを無効にする場合は、有効にした時と同じ手順で、[紛失モード(監視モードのみ)]を”無効にする”に変更して保存します。

紛失モードが有効になった端末側の動き

Intune管理センターで紛失モードを有効にするとすぐiOS端末はロックがかかり、ロック画面に"iPhoneの紛失"というタイトルとともに、管理センターで設定したメッセージと電話番号が表示されます。*1

[電話]ボタンをタップすると、表示された電話に発信することができます。

紛失モードが有効になると、ロックを解除したり、通知センターやコントロールセンターへアクセスしたりできなくなります。

また、ロックを解除するには、管理者にて紛失モードを無効化する必要があります。

なお、メッセージに指定できる文字数についてはMicrosoftの公開情報には記載がなかったのですが、試した限りだと全角で1,000文字でも設定は可能でした。

ただし、文字数によって文字サイズが縮小されるため、文字数と端末の画面の大きさによっては読めなくなってしまうことがあるため、ご注意ください。

※以下は全角250文字を表示させた場合

※以下は全角1,000文字を表示させた場合

終わりに

デバイスを紛失したときに、それがIntuneで管理されていないデバイスの場合、デバイスのパスコードを突破されると、個人情報や企業データが盗まれる恐れがあります。

デバイスをIntuneで適切に管理し、今回ご紹介した紛失モードのようなリモート操作も活用すれば、万が一デバイスを失ってもデータの漏洩等は防ぐことができます。

*1:私が検証した環境では、毎回数秒程度で反映されました

執筆担当者プロフィール
Hiroko, Kimura

Hiroko, Kimura(日本ビジネスシステムズ株式会社)

Microsoft 365製品の提案~運用が担当領域、特にTeams/Teams Phone多めです。趣味は音楽とテレビと映画。趣味にしたいのは筋トレ(エンジニアには筋肉が必要)。

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