AWS Re:Invent 2024で発表されたAmazon Nova、どのようなものなのか実際に試してみました。
Amazon Novaとは
Amazonが開発した新しい基盤モデルのシリーズになります。
生成AIサービスであるAmazon Bedrockで利用可能です。
発表されているモデル一覧
- Amazon Nova Micro:
- 最も低コストで低レイテンシー応答を提供するテキストのみのモデル。
- Amazon Nova Lite:
- 画像、ビデオ、テキスト入力を高速で処理する低コストのマルチモーダルモデル。
- Amazon Nova Pro:
- Nova Liteよりも幅広いタスクに対応する精度、速度、コストのバランスがとれた、マルチモーダルモデル。
- Amazon Nova Premier:
- 近日リリース予定。Novaシリーズで最も高性能なモデル。
- Amazon Nova Canvas:
- 画像生成モデル。配色やレイアウトの調整を行うことも可能。
- Amazon Nova Reel:
- 動画生成モデル。テキストだけではなく画像からも動画を生成可能。現在、最大6秒間の動画まで生成。
利用可能リージョン
2025年2月の時点で、全てのモデルはバージニア北部(us-east-1)リージョンで利用可能です。
Micro・Lite・Proの3モデルはクロスリージョン推論により、オハイオ(us-east-2)リージョンとオレゴン(us-wast-2)リージョンでも利用可能です。
Amazon Nova 利用料金
テキスト生成モデルは入力トークンあたり、
画像生成モデルは生成された画像一枚あたり、動画生成モデルは生成された動画1秒あたりの課金になります。
料金は以下、公式サイトをご覧ください。
利用方法
動画生成モデルのNova Reelを試しに使ってみます。
利用方法はAPIから利用する方法と、PlayGround上で利用する2つの方法があります。
今回は、簡単にAWSコンソール上で利用可能なPlayGround上の利用方法を記載します。
モデルの有効化
Nova Reelを利用するためにBedrockのモデルアクセスから「モデルアクセスを変更」で有効化します。
Nova Reelを選択し、送信を押してアクセス可能にします。
Bedrock上のNova Reelの「アクセスのステータス」が「アクセスが付与されました」と表示されたら利用可能になります。
PlayGround上での利用
PlayGround上で利用していきます。Image/Videoから「モデルを選択」を押します。
モデルの中にNova Reelが表示されているので、選択し「適用」をクリックします。
動画生成の為にS3が必要と表示が出るので、「確認」をクリックします。
これは、Nova Reelで作成した動画を格納するS3になります。このS3は自動で作成されます。
Nova ReelがPlayGround上で利用可能になります。
画面の説明です。
- Start Frame:画像から動画を生成する際に、画像をアップロードする
- S3 Storage:動画を格納するS3バケット
- シード:「ランダム性」を持たせるために使用される値
- Video generetion jobs:生成した動画の履歴
それでは、実際に使ってみたいと思います。
まずは言葉だけで、動画作成を実行してみます。「人の行進」と入力して実行すると、Video generetion jobsにIn progressのジョブが追加されています。5分程かかると表示されるので、しばらく待ちます。
動画が作成されると、画面に表示されます。そのまま再生できる他、動画右上のボタンからダウンロードも可能です。
実際の動画がこちらです。指示通りに人が歩いてます。
次に、画像をアップロードして動画を生成してみます。写真内の車を走らせたいので、「車を走らせてください」と入力して実行します。
出来上がった動画がこちらです。車ではなく自分自身が走ってるようになってしまいましたが、画像からの動画生成自体は成功しました。
今回は、思い通りの動画にはならなかったのですが、サービスが出たばかりなので精度の向上はこれからに期待です。指示の出し方も今後工夫していきたいと思います。
補足
動画がS3に保存されるので、利用後にS3のオブジェクト削除をしないとS3の利用料金がかかり続けます。S3ライフサイクルで削除期限を決めたほうが良いです。
まとめ
Novaのサービス説明と、Nova Reelを試した結果をご紹介しました。
PlayGround上で簡単に確認できるので、動画生成AIを触ってみたい方は是非使ってみてください。