【Microsoft×生成AI連載】SharePoint agents を使ってみた

【Microsoft×生成AI連載】酒巻です。今回は SharePoint Agentsを使用してみました。

※この記事の情報は12/19時点のものです。

これまでの連載

これまでの連載記事一覧はこちらの記事にまとめておりますので、過去の連載を確認されたい方はこちらの記事をご参照ください。

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SharePoint agentsの紹介

SharePointサイトとドキュメントをエージェントとして定義する機能を提供します。

主な機能としては以下の2点があげられます。

  • 既定のエージェント
  • エージェントの作成

実際にそれぞれを使用していきます。

既定のエージェント

SharePointサイトにアクセスし、上部リボン右側にあるCopilotアイコンをクリックすることで、既定のエージェントを使用することができます。

右下の「このサイトについて質問する」の欄から、このサイトに関する情報を質問することができます。

質問対象は、サイトとドキュメントライブラリ上のコンテンツになります。

それでは実際に質問をしてみます。ドキュメントライブラリにJBSの会社案内ページのHTMLファイルを配置し、その情報について聞いてみます。

海外拠点の一つであるUSAが回答に入っていないため一部不足している情報がありますが、おおむね正しい答えが返ってきました。

また、参照したファイルのリンクも付与されているので、リンク先のファイルを参照して直接正しい情報を確認することもできます。

参考: SharePoint でエージェントを操作する - Microsoft サポート

エージェントの作成

既定のエージェントは、特定のサイト内の情報をすべて対象としています。 そのため、情報の検索時に余計な情報もヒットしてしまい、回答精度が下がってしまう場合があります。

そこで、独自のエージェントを作成することで検索範囲を明確化し、目的に特化したエージェントを作ることができます。

今回は、エージェントの作成から、Teamsで使用するまでの流れを解説します。

エージェントの作成

ドキュメントライブラリに移動し、エージェントの検索対象としたいファイルもしくはフォルダを選択し、「エージェントを作成する」を押下します。

今回は、JBSのプレスリリースの情報のみが含まれた「プレスリリース」というフォルダのみを検索対象にします。

右下の「エージェントを開く」を押下します。

エージェントが作成されたので、動作確認を行います。

まずは、エージェントで検索対象としたファイルに対する質問を行います。正しい回答を得ることができました。

続いて、試しにエージェントの対象外のファイルにしか書かれていない内容について質問してみます。

既定のエージェントでは回答することができましたが、今回のエージェントでは会社案内情報を検索対象外としているため、情報がない旨の回答が返ってきました。 検索対象が正しく定義されていることが分かります。

参考:エージェントを作成および編集する - Microsoft サポート

エージェントの編集

自動で作成した際のエージェント名が分かりにくいときや、データソースを増減させたいときなどは、エージェントを編集する事が出来ます。

ここからは、エージェントの編集方法を解説します。

エージェントを開き、「編集」を押下します。

編集画面が開きますので、必要な情報で編集を行います。

「ID」では、エージェントの名前や説明を編集することができます。

「ソース」では、エージェントのデータソースを指定することができます。

「動作」では、ウェルカムメッセージやスタータープロジェクト、エージェントへの指示を設定することができます。

それでは、実際にソースにファイルの追加をしてみます。 「ドキュメントライブラリ、フォルダー、またはファイルの追加」を押下します。

ドキュメントライブラリ内の情報が表示されるため、必要なファイルを探し、選択を行います。選択が完了したら、右下の「選択」ボタンを押下します。

元の画面に戻り、選択したファイルが追加されていることを確認し、「保存」ボタンを押下します。

追加したソースが正しく検索できることを確認するため、右側のチャット欄で、追加したファイルに関連した質問を行ったところ、ファイルを参照して正しい答えが得られるようになりました。

編集は以上になります。

参考:エージェントを作成および編集する - Microsoft サポート

Teamsで使用する

エージェントの作成は完了しましたが、現時点ではエージェントを使った検索をする際に、対象のサイトにアクセスする必要があります。

そこで、Teamsにこのエージェントを追加して、チャットで返答してもらえるように設定します。

Teamsに追加したいエージェントで「共有」を押下します。

共有画面で追加したいユーザーを選択し「リンクのコピー」を押下します。

Teamsで追加したいチャットにリンクを送信すると、「このチャットに追加」ボタンが出現するので押下します。

※ なお、この際に個人チャットやチームのチャネルに張り付けても「このチャットに追加」が出てこないため、必ずグループチャットに張り付けるようにしてください。

追加されると、ウェルカムメッセージが表示されます。

それでは、準備ができたので実際にチャットをしてみましょう。Copilotに対してメンションして送信することで回答してもらえます。

メンションしない場合は回答が返ってきません。

Teamsで使用する方法は以上になります。

参考:Teams で SharePoint からエージェントを共有する - Microsoft サポート

利用シーンとメリット、注意点

利用シーン

SharePoint agentsは、例として下記のシーンで利用可能です。

  • 自部門のナレッジ エージェント
    • 従業員が過去に作成した資料、ナレッジについてのエージェントを作成し、現在の業務で困った際に質問することで、素早く情報を検索し、業務にそのナレッジを使用することができます。
  • 新規チームメンバーのオンボーディング
    • チームで作成した資料、ナレッジについてのエージェントを作成し、チームの業務の概要や関連情報について質問することで、素早くプロジェクトの情報にアクセスし、プロジェクトへ取り組む手助けをすることができます。

メリット

SharePoint agentsを使うことで、エージェントの作成が容易に行えます。

Agent builderやCopilot Studioに比べ、エージェントの作成が簡単なため、幅広いユーザーがエージェントを作成することが可能になります。

注意点

  1. SharePoint agentsを利用できるユーザーは以下のいずれかです
    • 「Microsoft 365 Copilot」のライセンス所有者
    • Micorosoft 365以外のCopilot ライセンス所有者かつ、Copilot Studioの容量パックまたは従量課金制メーターが有効になっている場合
  2. 「Microsoft 365 Copilot」ライセンス所持者は追加料金なしで使用することが可能ですが、後者の場合は従量課金となります。
  3. ナレッジソースに含めることができるソースの数は合計20個になります

その他制限事項やサポートファイルの形式などは、以下情報をご覧ください。

Copilot in SharePoint についてよく寄せられる質問 - Microsoft サポート

まとめ

本記事では、SharePoint agentsを実際に使用したうえで、エージェントの作成方法や利用方法について解説しました。

エージェントの作成が直感的に使えるので、目的に沿ったエージェントをたくさん作成し、ナレッジの活用を進めることができると思います。

おまけ(BizChatによる本記事の要約

本記事ここまでの執筆内容をBizChatに転記し、記事内容を要約してもらいました。

この記事では、SharePoint Agentsの使用方法とその利点について詳しく説明しています。以下はその要約です。

まず、SharePoint Agentsの主な機能として、既定のエージェントと独自のエージェントの作成が紹介されています。既定のエージェントは、SharePointサイトにアクセスし、Copilotアイコンをクリックすることで利用できます。これにより、サイトやドキュメントライブラリ上のコンテンツに関する情報を質問することができます。

次に、独自のエージェントの作成方法について説明されています。ドキュメントライブラリ内の特定のファイルやフォルダを選択し、「エージェントを作成する」ボタンを押すことで、目的に特化したエージェントを作成できます。エージェントの編集方法も紹介されており、名前やデータソース、動作の設定が可能です。

さらに、作成したエージェントをTeamsに追加してチャットで利用する方法も説明されています。エージェントを共有し、リンクをTeamsのグループチャットに送信することで、メンションを使ってエージェントに質問することができます。

最後に、SharePoint Agentsの利用シーンとして、自部門のナレッジエージェントや新規チームメンバーのオンボーディングが挙げられています。これにより、業務に必要な情報を迅速に検索し、活用することができます。

この記事では、SharePoint Agentsの作成が直感的であり、幅広いユーザーが利用できることが強調されています。また、利用にあたっての注意点として、ライセンスの要件やナレッジソースの数の制限についても触れられています。

執筆担当者プロフィール
酒巻 芳輝

酒巻 芳輝(日本ビジネスシステムズ株式会社)

Data&AIプラットフォーム部 主にAzure OpenAIやAzure AI Search、Graph APIを利用した開発を行っています。

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