今回から数回に分けて、Log Analyticsを利用した仮想マシンの監視と検知の仕組みを実装するまでのステップを、検証・解説していきます。
本記事は、その概要編となります。
Log Analyticsとは
Log AnalyticsはAzureの機能の一つで、クラウドおよびオンプレミスのシステムからログデータを収集し、分析を行うためのツールです。
主な機能と特徴
- ログデータ収集:様々なリソースからログデータを取得
- クエリによるデータ分析:Kusto Query Language (KQL) を使用して詳細な分析が可能
- ダッシュボード:データの可視化を簡素化し、異常の早期発見をサポート
課金体系
Log Analyticsは、取得したデータの量や保存期間に応じた料金体系を採用しており、ニーズに合わせた柔軟なコスト管理が可能です。
例えば、監視に必要なデータは保管期間を短く設定することで費用を抑え、ログなどの長期保管のニーズがあるデータは分けて保管することでコストを最適化する、といったことができます。
Azure Monitorとの連携
Azure Monitorは、Azure環境はもちろんのこと、オンプレミス環境やAmazon Web Services (AWS) 、Google Cloud Platform (GCP) などの他のクラウドでホストされているリソースなどからもデータを収集し、一貫した分析を行えるプラットフォームです。
Log Analyticsと連携することで、より短いプロセスで詳細なデータ収集および分析を可能とします。
監視ツールとの比較
監視の仕組みとして専用のツール・ソリューションも多く提供されており、これらを導入されているケースもあるかと思います。
監視ツールと比較すると、Log Analyticsは拡張性や連携の柔軟性に優れています。
例えば、他のAzureサービスとの統合がシームレスであるため、リソース管理を一本化することが可能です。また、PaaSなどの監視ツールでは対象とできない場合などにも対応することが可能です。
一方で、独自のクエリ言語を利用して分析や可視化、検知の仕組みを構成する必要があるため、未経験の場合は、データの取り扱いやクエリを改めて学ぶ必要があります。
まとめ
Log Analyticsを活用することでコストを抑えつつ、システムの安定稼働を支援することが可能です。
次回は、検証にあたっての具体的な構成の検討や、実装内容について紹介していきます。