これまでNutanix AHV環境でのvSwitchの構成はコマンドで行う必要がありましたが、AOS バージョン5.19以降はPrismにて出来るようになり、以前までのコマンドよりも分かりやすくなりました。
本記事では、その手順をピックアップし、Nutanix AHV環境でのvSwitchの構成方法についてご紹介いたします。
なお、Nutanix AHVの概要につきましては、以下の記事にてご紹介しておりますので併せてご参照ください。
vSwitchの構成
NutanixにおけるvSwitchは、デフォルトでvSwitch0(以後:vs0)が作成されます。
例えば、今回の環境では10GbpsのNICが4ポート搭載されており、インストール時にそれらが全てvs0にアサインされます。
vs1以降のvSwitchは、利用者が作成したり、アサインするイーサネットを指定・変更したり、自由にカスタマイズできます。
構成の流れ
事前準備
vSwitchの構成に際して、2つの条件があります。
- デフォルトゲートウェイ(以後:GW)との疎通ができること
- GWとの疎通が取れないとvSwitchの構成に失敗します
- お客様環境に接続する前に構成する際は、ご自身の端末に一時的にGWのIPを持たせるようにしてください
- クラスタに設定したNTPとの疎通ができること
- NTPとの疎通が取れることも構成への条件となります
- クラスタのNTPを構成タスクの中で見に行くので、お客様環境に接続する前は、クラスタのNTPをPrismにて一時的に削除するようにしてください
概要設定と構成手法
Prismの「Settings」> 「Network Configuration」> 「Virtual Switch」より、「Create VS(作成)」 or 「鉛筆マーク(編集)」を選択します。
固有情報と構成方法を選択し、「Next」をクリックします。
構成方法は以下から選択します。
- Standard(推奨)
- 推奨される方法になります
- 対象のホストをメンテナンスモードにし、仮想マシンを別ホストに移動させてから構成します
- ホストは1台ずつローリングで更新されるため1台あたり5~10分かかります
- Quick
- ローリングでの構成になりますが、ホストをメンテナンスモードに入れずに実施するためスピードが速いです
- 仮想マシンのネットワークなどは一時的に中断されます
- 実稼働前の新規構築に向いています
Bondタイプの選択
Bondタイプを選択します。
Bondタイプとは、複数のインターフェースを1つの仮想NICとして結合して冗長構成を取る際の手法です。
接続するスイッチの設定を考慮するようにしてください。スイッチ側がポートチャネルを組んでいない場合は、「Active-Backup」を選択します。
アサインするNICの選択
割り当てる物理NICにチェックをつけて選択し、「Save」をクリックします。
既に別のvSwitchにアサインされているNICはグレーアウトされ選択不可となります。(先に該当のvSwitchからアサインを外す必要があります)
タスクの確認
Prismの画面にて、「Received operation to edit virtual switch vsX」を確認します。このメッセージが表示された後にタスクが実行されます。
以下がタスク完了画面となります。
最後に
今回はPrism上でのvSwitch構成方法についてご紹介しました。
vSwitchの作成だけではなく、アサインの変更もGUIで簡単に出来るようになりましたので用途に応じてその都度カスタマイズしてみてください。